カテゴリー「書評」の記事

2021年6月28日 (月)

牧野陽子著『ラフカディオ・ハーンと日本の近代』、『しんぶん赤旗』(2021年6月20日)で紹介

牧野陽子著
『ラフカディオ・ハーンと日本の近代』
が『しんぶん赤旗』(2021年6月20日)で紹介されました。評者は稲賀繁美氏。

ご書評くださいました先生、書評紙ご担当者さま、ありがとうございました。心よりお礼申し上げます。



『〈時〉をつなぐ言葉』角川源義賞ほかを受賞した第一人者による小泉八雲論の集成である。......100年以上前の日本の姿と人々の心を描いた英語圏作家を、今になってあらためて再訪する意義はどこにあるのか。


そうした疑問を抱く読者に、本書は思わぬ光景を展開してみせる。従来の文学研究の相場であった作家論・作品論を超え、同時代の幾多の著述家のなかにハーンを位置づけ、その発想の源泉にさかのぼる一方で、口碑・伝承ととハーンの創作との相互関係に分け入り、さらにはその著作の感化を受けた後世の作家たちとの共鳴に及ぶ。


・・・・・・幼少を海外で過ごした著者の日本発見が、伝承や民族の再話の杜のなかに隠されたなぞに感応する魂の響き合いを解き明かす。そのしなやかな筆遣いの裏には、著者の強靭な意思と博捜をいとわぬ探求が透視される。




9784788517004ラフカディオ・ハーンと日本の近代

牧野 陽子 著
出版年月日 2020/12/15
ISBN 9784788517004
判型・ページ数 4-6・392ページ
定価 本体3,600円+税

 

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2021年4月15日 (木)

書評 櫻井茂男著『思いやりの力』@図書新聞 2021/4/14付

櫻井茂男著『思いやりの力』の書評が、「図書新聞」2021年4月11日付に掲載されました。評者は黒川 類氏。評者の先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

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著者は、「自分の共感性を育てるポイント」として、「愛する人を作ること、または信頼できる人を作ること」、「幸福感、自己肯定感、有能感をもつこと」を挙げている。また、「幼少期に養育者からしっかり愛された安定したアタッチメントが形成された人は、基本的に自己肯定感を持っています。もし幼少期に基本的な自己肯定感が持てなかったとしても、成長の過程で自分を無条件に愛してくれる人ができれば、自己肯定感は培われます。自己肯定感が培われれば、自分にとらわれる利己性が低減し、他者のことを思う向社会性や共感性が促進され、向社会的行動も増えることが期待できます」と述べていく。


そして最後に、「幸福感、自己肯定感、有能感の形成を通して間接的に共感性を育む」ことを推奨する。それは、「自己にやさしくすること――セルフ・コンパッションの実現」ということになる。他者にやさしくすることは、自分にもやさしくすることに他ならない。まさしく、それが「関係性」をかたちづくっていくことになるといっていい

 

 

9784788516922 思いやりの力
 共感と心の健康

 著者 櫻井茂男 著
 ジャンル 心理学・認知科学・臨床
 出版年月日 2020/11/10
 ISBN 9784788516922
 判型・ページ数 4-6・208ページ
 定価 2,420円(本体2,200円+税)

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2021年4月13日 (火)

紹介 牧野陽子著『ラフカディオ・ハーンと日本の近代』、3月18日付山陰新聞

牧野陽子著『ラフカディオ・ハーンと日本の近代』(四六判・本体3600円)が、3月18日付山陰中央新報書評欄にて紹介されました。評者は佐貫公哉氏。掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。


 松江ゆかりの文豪小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、日本に関する数多くの作品を著し、洋の東西を問わず読み継がれている。八雲は、神仏習合や先祖崇拝などを軸とする「日本人の内なる生活」に注目し、一つの価値観を強要する近代西洋文明を問い返す力があると見た。

3部構成の本書では、八雲の思想を鍵として、日本の近代が考察される。第1部は、八雲が捉えた日本古来の宗教的心性と現代における意義を論じ、八雲の日本観をたどり直す。

八雲作品の受容のありように焦点を当てた第2部では、柳田国男「遠野物語」と八雲「知られぬ日本の面影」が合わせ鏡のようにつづられ、柳宗悦の民芸論には八雲「日本人の微笑」の影響が見られると指摘する。

第3部は、「宗教・庶民・自然」という八雲の関心と重なり合う光景を見つめた作家たちとして、明治初期のイザベラ・バードや、林芙美子の戦後の作品などを読み解く。

(新曜社・3960円)


 

9784788517004ラフカディオ・ハーンと日本の近代

牧野 陽子 著
出版年月日 2020/12/15
ISBN 9784788517004
判型・ページ数 4-6・392ページ
定価 本体3,600円+税

 

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2021年4月12日 (月)

紹介 牧野陽子著『ラフカディオ・ハーンと日本の近代』、3月14日付神戸新聞他

牧野陽子著『ラフカディオ・ハーンと日本の近代』(四六判・本体3600円)が、3月14日付読神戸新聞他、にて紹介されました。掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。


ハーン=小泉八雲は一つの価値観を強要するキリスト文明に対して、神仏習合、祖先崇拝を軸とする日本人の内なる生活にはそれを問い返す力があると見ていた。その思想の受容を通して日本の近代を考察していく。

柳田国男「遠野物語」とハーン「知られぬ日本の面影」が合わせ鏡のようにつづられ、柳宗悦の民芸論にはハーン「日本人の微笑」の影響が見られると指摘。女性の放浪と破滅の物語とされた林芙美子「浮雲」は、仏印での「植民地体験」を自然の生命力へと昇華する作品だと読み解いていく。

 

 

9784788517004 ラフカディオ・ハーンと日本の近代

牧野 陽子 著
出版年月日 2020/12/15
ISBN 9784788517004
判型・ページ数 4-6・392ページ
定価 本体3,600円+税

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2021年3月11日 (木)

書評國分功一郎・熊谷晋一郎『〈責任〉の生成』@公明新聞 2021年3月8日付

國分功一郎・熊谷晋一郎『〈責任〉の生成』 の書評が、2021年3月8日付公明新聞に掲載されました。評者は河野哲也氏。ご書評くださいました先生、掲載紙のご担当者様にこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

・・・・・・本書は、朝日カルチャーセンターでの二人の討論と、聴衆を交えての質疑応答の記録である。講演会のライブ感が伝わり、「当事者研究」と「中動態」についての非常に分かりやすい入門書にもなっている。

・・・・・・二人の対話が進むにつれ、「内臓のアフォーダンス」「反芻と省察という二種類の自己参照」「予測誤差過敏としての自閉症」「コナトゥス解体による生存」など、豊かな展開が期待できる言葉がポンポン飛び出してくる。読み進める中で評者に生じた疑問の多くは。「質疑応答」のなかで聴衆が代弁してくれる。この質疑応答の部分が、講演部分と同じほど興味深い。・・・・・・




9784788516908<責任>の生成
中動態と当事者研究

國分 功一郎 著
熊谷 晋一郎 著
2020/12/01
ISBN 9784788516908
判型・ページ数 4-6変・432ページ
定価 本体2,000円+税

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2021年2月22日 (月)

書評 牧野陽子著『ラフカディオ・ハーンと日本の近代』、2月21日付読売新聞書評欄

「神道世界をイメージで」
牧野陽子著『ラフカディオ・ハーンと日本の近代』(四六判・本体3600円)が、2月21日付読売新聞書評欄にて紹介されました。評者は栩木伸明氏。評者の先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。


・・・・・・本書は彼の文化論を日本近代の中に位置づけようとする試みである。
 明治初期に来日したイザベラ・バードやB・H・チェンバレンは、文明化とキリスト教を直結させる思考法に慣れすぎていたため、神仏習合と祖先崇拝が結びついた日本の宗教的感性を理解できなかった。チェンバレンは神社の簡素さや神道における理論不在を批判さえした。

 本書の著者によれば、ハーンはその批判に返答するかのようにエッセイ「生神様」を書いた。死語に先祖神となり、丘の上の神社にまつられた霊が、参拝者の声を聞いて昔のことを思い出し、里へ下りていくまでの心模様を、神様の一人称で綴った異色作でである。・・・・・・

 

 

9784788517004 ラフカディオ・ハーンと日本の近代

牧野 陽子 著
出版年月日 2020/12/15
ISBN 9784788517004
判型・ページ数 4-6・392ページ
定価 本体3,600円+税

 



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2021年2月19日 (金)

書評 『〈責任〉の生成 中動態と当事者研究』(國分功一郎・熊谷晋一郎 著・本体2000円) 信濃毎日新聞 2021年2月14日付

『〈責任〉の生成 中動態と当事者研究』(國分功一郎・熊谷晋一郎 著・本体2000円)の書評が、2021年2月14日付信濃毎日新聞をはじめ共同通信にて配信されました。評者は伊藤亜紗氏。書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さま、心よりお礼申しあげます。ありがとうございました



・・・・・・ひとつ、またひとつと掘り崩されていく、凝り固まった社会の盲点。思考の道具は、受動/能動とは異なる仕方で行為を捉える「中動態」の枠組みと、依存症や発達障害などをめぐる当事者研究の実践から生まれた具体的で豊富な知見だ。
 何度も語られるのは、意外に思わるるかもしれないが「味わうこと」がもつ力である・・・・・・


・・・・・・現代は「孤独が危機に瀕している」と國分は言う。仲間とともにありながらも、自分の過去や傷と丁寧に向き合い、感じ、葛藤すること。そうすることで人は初めて、罪に応答できる人に、責任をとれる人に、変化していくのだ。迷ったり煮詰まったりひらめいたり、濃密でぜいたくな時間をくれる書

 

 

9784788516908<責任>の生成
中動態と当事者研究

國分 功一郎 著
熊谷 晋一郎 著
2020/12/01
ISBN 9784788516908
判型・ページ数 4-6変・432ページ
定価 本体2,000円+税

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2021年1月 5日 (火)

書評 前川あさ美・田中健夫 著『絵本がひらく心理臨床の世界』「週刊読書人」2021年1月1日号

前川あさ美・田中健夫 著『絵本がひらく心理臨床の世界』の書評が「週刊読書人」2021年1月1日号に掲載されました。評者は増田梨花先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまへ心よりお礼申し上げます。ありがとうございました

「・・・・・・絵本はこれまで保育や教育の現場で、人の情緒発達に寄与するツールとして、古くから活用されてきた。本書は、(コロナ禍の)そのような得体のしれない恐怖が充満している樹海に迷い込んでしまった私たちを、より安全で安心な「母なる存在が傾けてくれる愛」に包まれた「絵本の森」のフィールドへと誘ってくれる。本書は心理学の理論に基づいて、実践場面に活用される80冊以上の絵本を「道標」として紹介している。二人の著者が「道標」となる絵本とどのように関わり、絵本を紐解き、大学教育やセラピーのなかで活用してきたのかを丁寧にわかりやすく、心理臨床の視点から、そして時には温かなまなざしで見守る親の視点から記述している」


「・・・・・・本書は、絵本を用いてセラピーを行っている心理臨床家のみならず、これから心理療法を学んでいこうとしている学生たち、若いセラピストや経験のあるセラピストにとっても読みごたえのある書籍である。また、老若男女問わず、絵本に関心のあるひと、ない人も、著者からの「絵本の森の寄り道」を歩いていくと、コロナ禍の樹海の不安からしばし解放され、温かな「至福の時」を味わうことができるはずである」

9784788516946 

著者 前川 あさ美
田中 健夫
ジャンル 心理学・認知科学・臨床 > 臨床
出版年月日 2020/10/02
ISBN 9784788516946
判型・ページ数 A5・176ページ
定価 本体2,200円+税

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2020年12月18日 (金)

日比嘉高著『プライヴァシーの誕生』@週刊読書人」2020年12月11日付企画「2020年の収穫」

日比嘉高著『プライヴァシーの誕生』が、「週刊読書人」2020年12月11日付企画「2020年の収穫」にて、江南亜美子氏の3冊のうち1冊としてご紹介いただきました。
「個人情報保護をめぐる訴訟のリスクから作家の倫理が問われがちな「モデル小説」の系譜を整理した部分が興味深い」

書評くださいました先生、掲載誌ご担当者様に心よりお礼申し上げます

 

9784788516854_20200923111701  プライヴァシーの誕生
 モデル小説のトラブル史

 日比 嘉高 著
 出版年月日 2020/08/12
 ISBN  9784788516854
 判型・4-6判・308ページ
 定価 本体2,900円+税

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2020年11月12日 (木)

書評 日比嘉高 著『プライヴァシーの誕生』@「京都新聞」2020年11月1日付

日比嘉高 著『プライヴァシーの誕生』の書評が「京都新聞」2020年11月1日付に掲載されました。

評者は長山靖生氏。ご書評いただきました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

正しい思考や判断は、事実の把握を前提とする。だから報道には正確さが求められる。そんな事実尊重の意識からか、近代小説ではリアリズムが重んじられ、写実主義や自然主義、さらに自己身辺を赤裸々に描く私小説が生まれた。作品に人生の真理を求める読者は、その基礎として「事実」を期待したのだ。

しかし、そうした表現は、時に他人の名誉を棄損し、社会秩序を乱したとして、発禁処分や法廷闘争を招いた。本書はモデル小説事件を通して、〈表現の自由、芸術性〉と〈プライヴァシー〉という矛盾する近代的な権利意識の相克と変遷を追っていく。
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小説は出来事だけでなく、心理の内奥に迫る表現であり、だからこそ私的領域と公共性をつなぎ、人間性の理解を深めるのに役立ってきた。個人情報保護や被害者感情の尊重も大切だ。だがそれが真実を求める思考まで妨げるようになったとき、私たちは自分や社会を冷静に見詰めるすべの一つを失うのかもしれない。

 

9784788516854_20200923111701  プライヴァシーの誕生
 モデル小説のトラブル史

 日比 嘉高 著
 出版年月日 2020/08/12
 ISBN  9784788516854
 判型・4-6判・308ページ
 定価 本体2,900円+税

 

 

 

 

 

 

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