カテゴリー「書評」の記事

記事 古田徹也著『それは私がしたことなのか』2024年6月16日読売新聞「始まりの1冊」

2024年6月16日付 読売新聞書評欄「始まりの1冊」にて、
古田徹也先生の『それは私がしたことなのか』を、おとりあげいただきました。


……自分がすでに書いたものから引っ張ってくるのではなく、全体としてひとつの流れのある思考を一から紡ぎたいと思った。しかも、一般書なのだから、研究書や論文よりも幅広い層の人が興味をもって読んでくれるような本をつくりたかった。自分なりにベストを尽くして、髙橋さんから最初のメールが届いてからちょうど2年後の2013年8月に、私の始まりの1冊、『それは私がしたことなのか』が刊行された。

……最初の2か月間はろくに反応がなかったが、そこから大きな変化があった。英米哲学とは異なる領域の哲学者や、社会学者、言語学者、さらに、看護師や作業療法士といった多様な職業の方からも、本を読んだ感想が届くようになった。特に、ある医師の方からいただいた手紙には、刊行当初に英米哲学の専門家から向けられた批判よりも、遥かに鋭く重要な批判が書かれていて、目を開かされた。
 本を世に出し、書店に置かれるとはこういうことなのだと知った。思いもかけない人々に届き、思いもかけない角度から、自分に見えている物事の意味や可能性や限界を教えてくれる。自分はいまも、このときの感動と、2011年夏に神田神保町の喫茶店で自分の論文の束を見たときの感動のなかにいる。だから、本と論文を書く意欲はまったく落ちていない。......





9784788513440古田徹也 著
それは私がしたことなのか

四六判280頁・定価2640円
発売日 13.8.2
ISBN 978-4-7885-1344-0




 

紹介 角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』毎日新聞 2024年4月6日付け

 

角田 燎 著『陸軍将校たちの戦後史』
の紹介が、毎日新聞 2024年4月6日付けに掲載されました。掲載紙ご担当者さま、ありがとうございます。

元陸軍将校たちが戦後に作った親睦団体「偕行社(かいこうしゃ)」の会誌を分析し、彼らの戦後史を浮き彫りにした。
この偕行社は、1952年、元軍上層部から敗戦時の陸軍士官学校生徒まで、親子以上の年齢差がある集団として始まる。……
 
 同じ元将校で、世代やキャリアの差、時々の風潮との関係で、何をどう考え、発言してきたかは大きく違う。その変遷は、戦後という時代を映し出す鏡だったとわかる。(生)

9784788518391 『陸軍将校たちの戦後史』
「陸軍の反省」から「歴史修正主義」への変容
角田 燎 著
2024/03/19
9784788518391
4-6判・264頁 定価 3190円

書評 五十嵐 素子・平本 毅・森 一平・團 康晃・齊藤 和貴 編『学びをみとる』@「教育展望」2024年4月

五十嵐 素子・平本 毅・森 一平・團 康晃・齊藤 和貴 編
『学びをみとる』の書評が、「教育展望」2024年4月に掲載されました。評者は寺崎千秋氏。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者さま、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。

 

「資質・能力の三つの柱」等の資質・能力を身につけるための「主体的・対話的で深い学び」が実現されているだろうか。この主体的に学ぶ子どもの学びを教師はどう見とればよいかが大きな課題となっている。「学びをみとる」と題した本書は、「教師の手だてをみとる」「生徒の授業経験をみとる」ことを目指し、この課題について正面から具体的に取り組んだ方法や成果を紹介しており、読者に光明を与えるものとなるだろう。……

 読み終えて、教師の手だての見方・考え方、子どもの学びの見取り方が一皮むけたように感じた。著者の研究・実践に感謝したい
 

9784788518230 五十嵐 素子・平本 毅・森 一平・團 康晃・齊藤 和貴 編
学びをみとる
エスノメソドロジー・会話分析による授業の分析
出版年月日 2023/11/07
ISBN 9784788518230
A5判・308ページ 定価 3,410円

楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編『日中韓のゲーム文化論』@2024年3月30日付「日本経済新聞」

楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
『日中韓のゲーム文化論  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか』

の紹介が2024年3月30日付「日本経済新聞」にて掲載されました。ご担当者様、ありがとうございます。  

「……人類学者・中沢新一が1984年に書いたエッセーは、「ゼビウス」を例に予期せぬバグを楽しむプレーヤーを紹介。その後ゲームが物語性を帯びていく中、批評家・東浩紀が2004年に著した文章は美少女ゲームに着目する。また東がプレーヤーにとっての現実を「ゲーム的リアリズム」と概念化し、国内外の研究者に影響を与えたこともほかの論文から分かる。

 韓国や中国のゲーム社会史を振り返る論考では、勃興期、流入する日本製ゲームに対して侵略の歴史を背景にした不安感があったことも記されている。メディア論や記号論のほか、哲学や社会学からの考察が行われており、ゲーム批評の論点を網羅できる……」


9784788518360   日中韓のゲーム文化論

  なぜ、いま〈東アジア・ゲーム批評〉なのか
  楊 駿驍・鄧 剣・松本健太郎 編
  出版年月日 2024/03/05
  ISBN 9784788518360
  A5判・400頁
  定価4,950円(本体4,500円+税)

寸評 金菱清著『生ける死者の震災霊性論 災害の不条理のただなかで』@東京新聞 2024年3月31日付掲載

金菱清著『生ける死者の震災霊性論 災害の不条理のただなかで』の寸評が 東京新聞2024年3月31日付に掲載されました。ご担当者様、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。

「東日本大震災に仙台市で遭遇した社会学者が、被災者の立場に深く共感して聞き取り調査した報告書。「死者」と向き合った状況を「呼び覚まされる霊性」と名づけ、亡くなった近親者が出てくる夢もタブー視せずに集めた。「幽霊」に仮託された死者との関係に思いを馳せることで、残酷な現実に封じ込められた心の奥底を見つめる」

9784788518421  生ける死者の震災霊性論

 災害の不条理のただなかで

 出版年月日 2024/03/11
 ISBN 9784788518421
 4-6判208頁・定価2530円(本体2,300円+税)

書評 粟谷佳司著『表現の文化研究』@「図書新聞」2024年2月24日付

粟谷佳司著『表現の文化研究』の書評が「図書新聞」2024年2月24日付にて掲載されました。評者は長﨑励朗先生。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様にこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。




・・・・・・

(さらに)本書は当時のフォークソング運動を取り囲む社会状況を市民運動などとのネットワークとして把握することを試みる。たしかに、鶴見や片桐をイデオローグとするフォークソング運動が市民運動と結びついていったのは半ば必然であった。鶴見が創設にかかわった「ベトナムに平和を!市民連合(通称べ平連)」に代表されるように、彼が目指したのはマスとしての大衆を個人として能動的に意見を発する市民の集団へと組織することだったからだ。フォークソング運動をこうした文脈の中においてみると、「フォークは大衆のもの」というような表現の意味も違って見えてくる。ここで念頭に置かれている大衆は明らかにマスとは異なる。個性を捨象された均質な塊というよりは顔を持った一人一人の人間というニュアンスを帯びているのだ。これは1960年代以降の日本文化史を貫くいわば「下向きの圧力」に正統性を与える大衆観である。大衆に寄り添うことを肯定的に捉えるムードを形作った要素の一端を垣間見ることのできる視点であると言えよう。

こうしてみると、本書のタイトルが『表現の文化研究』であることも理解できる。本書は鶴見らによる、大衆のマスからの分離というプロジェクトを引き継ぎ、表現の受け手としての大衆を、表現する主体として読みかえようとする試みなのだ
・・・・・・


9784788517608  表現の文化研究
 鶴見俊輔・フォークソング運動・大阪万博

 著者 粟谷 佳司 著
 出版年月日 2023/09/15
 ISBN 9784788517608
 4-6判・248ページ
 定価 3,410円(本体3,100円+税)
 在庫 在庫あり

 

書評 渡辺祐介 著『若者と軍隊生活』、図書新聞2023年11月11日付

元学徒兵の語りを「脱神話化」する

渡辺祐介 著『若者と軍隊生活 生還学徒兵のライフストーリー研究』の書評が図書新聞2023年11月11日付に掲載されました。 評者は松岡昌和氏。ご書評いただきましたこと心よりお礼申し上げます。

 

……
著者は、それぞれの元学徒兵へのインタビュー内容をまとめた後、続く章でそれぞれのライフストーリーを分析し、さらに終章で三人の経験に共通したパターンを浮かび上がらせている。それは軍務に精勤するメカニズムである。三人とも、生還への思いをもって軍務に就き、「よりましな居場所」を求めて軍という組織のなかでの社会的上昇を図っていった。さらに、軍隊生活で他者の役割に応えようとすることで責任感を発揮し、軍隊生活を習慣化させていった。こうした学徒兵の行動を、著者は「学徒兵の若者らしい生き方」ととらえている。それは、平時においても社会を支える「下からの力」となるものであり、それが結果として戦争を支えていたのである。

……

本書は、「平和教育」に「利用」される形で「神話化」された元学徒兵の語りを、綿密なインタビューと丁寧な分析によって「脱神話化」することに成功している。学校教育やメディアを通じた語りでのみ戦争を知ることになる著者や評者、そして多くの読者の世代にとって、この二一世紀の時代にどのような戦争像を描いていくかについてさまざまな模索が行われる。そのひとつの方向性が、本書が示したような、平時の生活者としての倫理や規範と戦争動員のメカニズムとの連続性を指摘していくことなのであろう。



9784788518162  『若者と軍隊生活 生還学徒兵のライフストーリー研究』

 渡辺 祐介 著

 出版年月日 2023/06/05
 ISBN 9784788518162
 判型・ページ数 4-6・384ページ
 定価 4,070円(本体3,700円+税)
 在庫 在庫あり

 

書評 大内雅登・山本登志哉・渡辺忠温 編著『自閉症を語りなおす』 「図書新聞」2023年10月21日付

大内雅登・山本登志哉・渡辺忠温 編著『自閉症を語りなおす』の書評が、「図書新聞」2023年10月21日付に掲載されました。評者は髙木美歩氏。ご書評いただきありがとうございます。掲載紙ご担当者様にもお礼申し上げます。


本書は(一財)発達支援研究所の研究者と自閉スペクトラム症(以下ASD)と診断された支援者らによって編纂された、対話に基づくASD支援を提唱するものである。……

ASD者は社会性の障害のために人の気持ちを理解することができないという知識に対し、大内らは定型発達者もまたASD者を理解できていないのだから、わからないのはお互い様と主張する。定型発達者とASD者のすれ違いは、それぞれが体験している世界や素朴な感覚をよく知らないために生じる「ズレ」に起因しているのである。そして、互いのズレを明らかにして調整する方法として大内らが提唱するのが「逆SST」である。ソーシャルスキルトレーニング(SST)は社会で暮らすために必要な対人・生活スキルを身に着けるためのプログラムだが、逆SSTはASD者が出題者として日頃理解されにくい自身の体験を語り、参加者はその人が「なぜそうしたのか」を本人に質問しつつ推理していく、対話的調整である。そこで明かされる理由は思いもよらない、専門用語の枠にはとても収まらないものが多い。……
……
コミュニケーションがうまくいかないとき、まず相手に尋ねてみよう、対話しようという本書の主張はじつに真っ当である。この本はASDを主題に書かれているが、多様性が求められる今日の社会においては誰もが身につけておきたい視点である。簡単なように思われるそれをいかに実践するか、それがいかにむずかしいかを丁寧に記述した本書は、誰かとのより良いコミュニケーションを希求する人の一助になり得るだろう。


9784788518155  大内雅登・山本登志哉・渡辺忠温 編著
 『自閉症を語りなおす』
 当事者・支援者・研究者の対話


 ジャンル 心理・福祉・看護・医療
 出版年月日 2023/05/20
 ISBN 9784788518155
 4-6判・320ページ
 定価 2860円(税込)

新刊紹介 実重重実 著『細胞はどう身体をつくったか』@日刊「アグリ・リサーチ」 2023年6月27日付

実重 重実 著
『細胞はどう身体をつくったか』 の紹介が、2023年6月27日付日刊「アグリ・リサーチ」に掲載されました。
掲載紙ご担当者様、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。



書籍『細胞はどう身体をつくったか発生と認識の階層進化』( 新曜社2700 円+税) をこのほど出版した元農林水産省農村振興局長の実重氏にその概要や思いなどを聞いた。

―発刊に至った背景・動機について

実重 2019年に「生物に世界はどう見えるか」、2021年に「感覚が生物を進化させた」と出版してきた。生物の発生は、進化とも結びついた興味深い現象であり、発生学の近年の発展も著しい。私が師事した発生学者・団まりな氏の「階層生物学」という手法に基づき、「主体性を持った一つ一つの細胞が対話をしながら身体を作っていく」という姿を描いた。本紙に従来「海寂」の筆名で投稿してきた記事も一部で活用している。


― 著書の構成・特徴は

実重「世界一面白い発生学の本」を目指した。単細胞生物から出発して、植物、カイメン・クラゲ・ウニ・貝類などの水生動物、昆虫、カエル、ヒトというように、進化のプロセスを通じて発生の現象を見ていく。終盤では一つ一つの断片的な事実が繋がって、大きな自然の体系が見えてくるように描いた。

……


9784788518179  細胞はどう身体をつくったか
 発生と認識の階層進化

 実重 重実 著
 出版年月日 2023/06/25
 ISBN 9784788518179
 4-6判296頁・定価 2,970円
 在庫 在庫あり

 

 

 

9784788516595_20230627142601   生物に世界はどう見えるか
 感覚と意識の階層進化
 実重重実 著
 出版年月日 2019/12/01
 ISBN 9784788516595
 4-6判224頁・定価2,640円
 在庫 在庫あり

 

 

 

 

9784788517301   感覚が生物を進化させた
 探索の階層進化でみる生物史
 実重重実 著
 出版年月日 2021/07/10
ISBN 9784788517301
 4-6判272頁・定価 2,750円
 在庫 在庫あり

 

書評 関西学院大学震災の記録プロジェクト 金菱 清(ゼミナール) 編 『災害の記憶を解きほぐす』 2023年6月10日付 神戸新聞

関西学院大学震災の記録プロジェクト・金菱 清(ゼミナール) 編
『災害の記憶を解きほぐす』 の書評が、2023年6月10日付「神戸新聞」、「ひょうご選書」に掲載されました。
評者は長沼隆之・論説委員。ご書評いただきましたこと、こころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

28年前の阪神・淡路大震災でわが子を亡くし、障害を抱え、家や店を失った人々が、震災後に生まれた学生たちの問いかけに応えて言葉を紡いだ証言集である。

 発生から何年たとうとも、被災地に暮らす人々には、その時々の苦しみが残る。誰にも打ち明けることができない悲嘆は、心の奥深くにしまい込んでしまう。その気持ちを解きほぐすように、関西学院大学の金菱清教授のゼミ生9人が、2年生の秋から約一年かけて、当時の出来事や思いなどを綿密な聞き取りをして、それぞれ1章を書いた。感銘深いのは、喪失を経験した人たちの「心の復興」を描く部分である。……



9784788518124 関西学院大学震災の記録プロジェクト
金菱 清(ゼミナール) 編
災害の記憶を解きほぐす
阪神・淡路大震災28年の問い

出版年月日  2023/04/10
ISBN 9784788518124
判型・ページ数 4-6判・192頁
定価 2,640円(税込)
在庫 在庫あり

 

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