自著を語る 実重重実著『細胞はどう身体をつくったか』日本農業新聞 20230716付
日本農業新聞 20230716付にて実重重実著『細胞はどう身体をつくったか』
の実重先生による紹介が掲載されました。
……考えてみると、不思議ではないか。どうやってチョウは卵からアオムシへ、アオムシからサナギとなり、そしてやがて大きな羽を広げて飛び立っていくのだろうか。どうやって巻き貝はあんなにぐるぐると巻いた色彩豊かな貝殻を持つようになったのだろうか。どうやってカエルは、水中を泳ぐオタマジャクシから大変身して、1代のうちに陸上で飛び跳ねることができるようになるのだろうか。私たちの身の回りにいる動植物の一生も、不思議でいっぱいだ。本書は微生物から植物、水生動物、さらには陸上動物、ヒトまで幅広く生物の発生を描き、最新の科学的知見に基づいてそれらがどのように進化してきたのか、そしてそれらはどのように相互作用し合い、つながり合っているのかを解き明かそうとした。
多彩な生物たちの、不思議な生態を見ているうちに、それらのピースの断片が組み合わさって、やがて大きな1枚の絵となり、自然の体系が見えてくるように構成している。現代生物学の最先端の地点から何が見えてくるかを描いてみた。全ての生命、全ての自然を大切にし、これらと共存していく上で、生物たちの対話や階層の進化を知ることは不可欠だと私は思う。想像力という小舟に乗って、この光景を見ていただければ幸いである。
『細胞はどう身体をつくったか』
発生と認識の階層進化
実重 重実 著
科学・科学論
2023/06/25
ISBN 9784788518179
46判・296頁
定価 2,970円(税込)
在庫あり
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