書評 有賀 ゆうアニース 著『「混血児問題」の歴史社会学』@2026年3月27日付「週刊読書人」
有賀 ゆうアニース 著『「混血児問題」の歴史社会学 戦後日本の人種的境界』の書評が、2026年3月27日付「週刊読書人」に掲載されました。評者はウォント盛 香織氏。評者の先生に、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
・・・・・・
評者が本書において特に興味深かった章は、「戦後日米混血児」誕生前を分析した1章である。著者は、「戦後日米混血児」誕生前から女性団体を含む市井の人々が、日本人女性と連合国軍の軍人・軍属との間の混血児誕生予想を記述した民衆流言資料の中で、こうした子どもが生まれることとその母親たちを「肩をすくめるに余りある」「ハズカシイ」ことと見なし、「罰を下すべきだ」とするほど否定的にとらえていたことを示している。「戦後日米混血児」を産んだ女性は、パートナー選択と性行動において人種境界やセクシュアリティ規範を逸脱しただけでなく、家を継ぐべき日本人嫡子を産まないという家規範に反するなど幾重の逸脱行為を犯した女性たちとして見なされ、それゆえに彼女たちとこれから生まれるであろう子どもたちへの一般市民の強い拒否感が醸成されていたことが分かる章となっている。・・・・・・
有賀 ゆうアニース 著
社会学
出版年月日 2026/01/30
ISBN 9784788519084
4-6判・344頁
定価4290円
« 書評 有賀ゆうアニース 著『「混血児問題」の歴史社会学』@毎日新聞 2026年2月28日付 | トップページ | ◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第263号■ »
「書評」カテゴリの記事
- 書評 菅沼 明正 著『流転する伝統』@東京新聞 2026年7月4日付ほか(2026.05.27)
- 紹介 「毎日新聞」2026年5月4日付「今を生きる、今を書く:今読むべき一冊(その5)」=町田樹/67(2026.05.12)
- 書評 ポール・リクール 著 山野 弘樹 訳『イマジネーション講義』@2026年5月8日付「週刊読書人」(2026.05.08)
- 書評 菅沼 明正 著『流転する伝統』@朝日新聞 2026年5月2日付(2026.05.07)
- 書評 巽 美奈子 著『〈栄養〉の誕生』@京都新聞 2026年4月26日付(2026.04.27)
« 書評 有賀ゆうアニース 著『「混血児問題」の歴史社会学』@毎日新聞 2026年2月28日付 | トップページ | ◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第263号■ »



コメント