書評 巽 美奈子 著『〈栄養〉の誕生』@日本経済新聞 2026年4月18日付
巽 美奈子 著『〈栄養〉の誕生』の書評が、2026年4月18日付日本経済新聞に掲載されました。評者は阿古 真理氏。評者の先生に、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
以前、キッチンの歴史を調べた折、家政学の創始者、エレン・リチャーズが、シェアキッチンを使って栄養バランスが整った食事の仕方を貧困者に伝えようとしたが、3年近くにわたり拒絶され続け、失敗した史実を知った。
健康を守るには、栄養のバランスが整った食事の実践が必要と言われる。しかし、誰もがそうした食事を好むわけではないし、日々栄養バランスを考え食事を調える台所の担い手は、負担が大きい。この葛藤について社会学の視点から切り込み、栄養に関する日本の近代史を描いた本である。........
栄養教諭だった著者は、従来の栄養教育に限界を感じて学んだことを相対化すべく大学院に入り、まとめた博士論文が本書の元になっているという。今後の研究で、著者が栄養バランスと食、ジェンダーと食の担い手の関係など、本書が示したいくつもの種を、育てていくのを楽しみにしている。
巽 美奈子 著
社会学
出版年月日 2026/03/05
ISBN 9784788519114
4-6判・232頁
定価3520円
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