書評 有賀ゆうアニース 著『「混血児問題」の歴史社会学』@日本経済新聞 2026年2月28日付
有賀 ゆうアニース 著『「混血児問題」の歴史社会学 戦後日本の人種的境界』の書評が、2026年2月28日付日本経済新聞に掲載されました。評者は安田菜津紀氏。評者の先生に、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
…….1953年に厚生大臣宛てに出された「混血児対策に関する答申」の中に、気になる文言があった。《基地周辺の女性に対しては、軽率な交際によって混血児を生むことのないよう啓発に努めること》
「望ましくない」と見なした女性を罰するまなざしもさることながら、「混血児」が「生まれない方がいい存在」であるかのような言いぶりではないか。
当時から果たして、社会は変わっただろうか。街中で「日本人ファースト」というスローガンが踊り、「同化するか、出ていくか」という極論が突き付けられながらも、日本政府は人種差別を規制するための本格的な措置には消極的な態度を貫いている。
本書は主に50年代までの中央政府の「混血児問題」をめぐる政策などを中心にしているが、きわめて現代的な示唆を含んでいる。
有賀 ゆうアニース 著
社会学
出版年月日 2026/01/30
ISBN 9784788519084
4-6判・344頁
定価4290円
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