書評 秋尾敏著『子規に至る』 「俳壇」2025年7月号
「俳壇」2025年7月号にて、秋尾敏著『子規に至る』の書評が掲載されました。評者は堀切実氏。ご書評いただきありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。
近代俳句史の再構築へ向けて
二十七年前に『子規の近代』という好著を出した著者が、今度『子規に至る』 という近代俳句史の黎明期の真実を探り出す快著を刊行した。「俳壇」連載の稿が基になっている。
私がこの本に共感できる三点を述べたい、第一は、従来の常識とは違い、俳句史を近世から近代への一つの流れとしてとらえている点である。……
第二に、幕末期から明治期にかけての国家意識の高揚に国学的な世界観の反映があり、俳人たちも同様で、先の鳳朗などはその典型であったという論調である。……
第三に、近年、一茶の近代性が説かれるなかで指摘される俳人の「自我」の確立を、国学的な「自我」として捉えている点である。近代的な「自我」の確立は自由民権運動以後であったとしても、そこに近世的「自我」の発露をみているのである。……
総じてこの本は明治俳句史の再構築をめざしたものと言える。子規一派の活躍と同時に、江戸期以来の旧派作品にも結構佳句があることは、近年の研究で証明されている。……
『子規に至る 十九世紀俳句史再考』
秋尾 敏 著
ジャンル 文学・エッセイ
出版年月日 2025/03/15
ISBN 9784788518759
46判282頁・定価2,970円
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