書評 秋尾敏著『子規に至る』@朝日新聞「俳句時評」 2025年6月29日付
2025年6月29日付朝日新聞「俳句時評」にて、秋尾敏著『子規に至る』が紹介されました。評者は岸本尚毅氏。ご紹介いただきありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。
俳句時評 「旧派」の実態とは 岸本尚毅
明治以降の俳句史の出発点は、正岡子規による俳句の近代化だといわれる。旧弊な「月並俳句」を刷新したのが、「新派」たる子規の改革だという説明は単純明快で便利である。ところが、いわゆる「旧派」の実態は案外知られていない。それを調べあげたのが秋尾敏の近刊『子規に至る 十九世紀俳句史再考』(新曜社)である。
本書によると、幕末から明治にかけては俳人たちも国学の影響を受けた。彼らは新政府の下で「教林盟社」や「明倫講社」という団体を作り、神職や僧侶と並んで「教導職」という官職を得た。この時代の俳人の社会的な活発さとしたたかさは、風流韻事のイメージとはほど遠い。以下、彼らの句を引く。……
……
……明治期を通じて勢力を持っていた「旧派」だが、その後はどうなったのだろうか。今後の俳句史研究の課題として、興味深い論点である。
『子規に至る 十九世紀俳句史再考』
秋尾 敏 著
ジャンル 文学・エッセイ
出版年月日 2025/03/15
ISBN 9784788518759
46判282頁・定価2,970円
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