『戦艦大和の歴史社会学』著者・塚原真梨佳氏 インタビュー@中国新聞「歩く・聞く・考える」
『戦艦大和の歴史社会学』の著者・塚原真梨佳氏へのインタビューが、中国新聞「歩く・聞く・考える」2025年6月25日付に掲載されました。インタビュアーは特別論説委員・岩崎誠氏。
戦後80年と戦艦大和 生々しい死を抜きにできない
――なぜ戦艦大和に関する研究を始めたのですか。美大出身でドキュメンタリー映像に携わり、母に聞いた大伯父の戦死をテーマにしたのがきっかけです。沈没した佐世保所属の戦艦金剛に乗っていました。戦艦という軍事技術の所産の名前は残るが一人一人の戦死という異常な死が漂白され、語られない状況に興味を持ったのです。立命館の大学院に入って歴史社会学を専攻し、戦艦という技術の歴史がどう継承されたかを考えるメルクマール(指標)として大和に注目しました。
――研究の手法は。雑誌や書籍などメディア空間の言説を軸にしました。特に軍事誌「丸」は元技術将校らの寄稿など大和の「語り」をリードし、そこで示された見方が定説化していきます。1950年代は大和が海の藻くずと消えた無用の長物だったとしても技術だけ見れば世界一のメカニズムがあったと論じられました。世界最大排水量、最大主砲の戦艦を開発した技術力が日本民族にあったという語られ方は、造船大国として復活する中で受け入れられやすい物語でした。
――乗員約3千人の戦死は語られなかったのですか。
悲劇的な死を遂げた将兵の戦記も出ていましたが、戦場体験とメカニズムの語りは切り離されたと思います。平和的な価値観が社会にあって旧軍賛美が反動と見なされる中でも、大和に関しては目立った戦績がなかったために技術力のみ強調することが可能だったと考察しています。
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塚原真梨佳 著
『戦艦大和の歴史社会学』
軍事技術と日本の自画像
出版年月日 2025/02/28
ISBN 9784788518704
4-6判304ページ・定価3,520円
在庫 在庫あり



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