書評 三浦耕吉郎 著『自然死(老衰)で逝くということ』@「新潮」2025年3月号
「新潮」2025年3月号にて 三浦耕吉郎 著『自然死(老衰)で逝くということ:グループホーム「わたしの家」で父を看取る』の書評が掲載されました。評者は古川真人氏。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者様にこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。
あくまでも生のために
......
(本書において)なによりの眼目とされているのは、あくまでも死が避けがたいものであるときに、その瞬間にいたるまでの生をいかによいものにするか、である。本書は〈終末期における「医療との距離化」〉ということばについて繰りかえし言及する。これは過剰な延命治療を「しない」(医療的介入から距離をとりつつ)で、いましも息を引き取ろうとしている、しかし、現に生きている者のために望ましいこと、くつろげることを(ばあいによっては適切なかたちで施療もしつつ)「する」という、まさに専門的な集団によって達成し得る、曲芸的な末期の介添えである。そしてその粋を集めた技巧の一切は生者にこそ向けられる。そもそも、われわれは死者に対してはなにも「する」ことはできないのだ。
では、「わたしの家」の中において、ひとびとはなにを「する」のか、また「しない」のか。著者の父の容態が、安静に返ることもありつつ、しかしやはり刻々と最後の局面に向かいつつあるとき、スタッフは〈私〉にこう申し出た。
……
自然死(老衰)で逝くということ
グループホーム「わたしの家」で父を看取る
三浦 耕吉郎 著
2024/08/31
ISBN 9784788518520
四六判232頁 定価 2420円
在庫 在庫あり
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