書評 井上雅雄 著『戦後日本映画史』@読売新聞 2023年1月8日
井上雅雄 著『戦後日本映画史』の書評が、読売新聞 2023年1月8日付に掲載されました。評者は金子拓氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者様、ありがとうございました。こころよりお礼申し上げます。
・・・・・・本書の論点は大きく二つある。ひとつめは、国家(政府)との関わり。・・・・・・いまひとつは、製作・配給・興行の三業態に分かれ、それぞれの思惑で利益を追求する映画産業の構造への注目である。売り手市場である映画産業で割を食うのは興行(映画館経営者)側であり、常に赤字経営の危機に瀕していた。
安定した収益を望む興行側に対し、東映が二本立て製作・配給を開始し、直営館の確保に力を入れたことなどから映画館が急増する。東映は製作数の増加にともない業務の合理化を図って収益トップの座に躍り出、映画館の増加は映画人口の裾野拡張に大きく寄与して50年代後半の黄金期を現出した。しかし著者は、このことこそが逆に映画産業の危機を招いたと指摘する。粗製濫造による作品の消耗品化である。・・・・・・
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戦後日本映画史 企業経営史からたどる
井上 雅雄 著
2022/09/30
ISBN 9784788517813
A5判512ページ 定価 5,720円(本体5,200円+税)
在庫 在庫あり
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