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書評 デヴィッド・パレ 著『協働するカウンセリングと心理療法』@心と社会 No.189 2022

デヴィッド・パレ 著『協働するカウンセリングと心理療法』の書評が「心と社会」 No.189 2022に掲載されました。評者は関 百合先生。ご書評くださいました先生、掲載誌ご担当者様に深くお礼申し上げます。ありがとうございました。

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デヴィッド・パレによるこの600頁にわたる大作は、カウンセラー/セラピストがいかにしてクライエントと協働関係を築くかという臨床の知にあふれたテキストである。そこに難しい理論も用語もなく、アインシュタインやギアツなど心理学以外にも幅広い引用を用いて解説し、実践例も豊富に挙げている。この著書は、特にカウンセリングを始めたばかりの初学者にとっては大きな助けになるだろう。初めてのカウンセリングで何をどう聞いたらよいかわけもわからない時、膠着状態に陥った時、クライエントをアセスメントしては見たが役立つようには思えない時、この本は初学者の立場に立って、そして多くの例を引きながら寄り添ってくれる。本来はトレーニング中の大学院生に向けて作成されたのであろう工夫が随所に見られるが、経験を積んだカウンセラー/セラピストも日頃の自らの臨床を顧みる機会として一読をお勧めする。

この著書が画期的であると感じるのは、カウンセリングが実は「文化間の交流」の場であることを明言し、人類学者のフィールドワークを思わせる細心さと共感に満ちた好奇心によってクライエントと協働関係を築くことが重要であることを強調する点である。・・・・・・

 


協働するカウンセリングと心理療法

文化とナラティヴをめぐる臨床実践テキスト

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