書評 能智正博・大橋靖史 編『ソーシャル・コンストラクショニズムと対人支援の心理学』@「こころの科学」最新号(224号2022.7)
『ソーシャル・コンストラクショニズムと対人支援の心理学』の書評が「こころの科学」最新号(224号2022.7)に掲載されました。
評者は安達映子先生。ご書評いただきましたこと、ありがとうございます。こころよりお礼申し上げます。
・・・・・・各章の随所で述べられているように、主流派心理学は人の内部に「こころ」を想定し、その本質や普遍性を探ることで科学を自認してきた。そうした「こころ」の実在や実証を根底から疑うソーシャル・コンストラクショニズムは、心理学そのものへの大きな挑戦を含んでいる。「社会」ないし社会的存在としての人間を扱う社会学や、問題を因果関係から解放すべく「関係性」に焦点を当てる家族療法とは異なり、内面への志向性を強く孕む心理学がソーシャル・コンストラクショニズムと組み合うには、一定の時間を要したのかもしれないと思う。
機が熟すのを待った甲斐があり、理論・研究・実践のレベルにおいて、本書は読者の関心に応える内容となっている・・・・・・
ソーシャル・コンストラクショニズムと対人支援の心理学
理論・研究・実践のために
能智正博・大橋靖史 編
2021/12/31
ISBN 9784788517509
A5判328頁・3960円
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