紹介 『廃墟からの歌声』@中国新聞 2022年2月21日付
ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳
『廃墟からの歌声』 が中国新聞 2022年2月21日付にて紹介されました。評者は桑島美帆氏。ご掲載、ありがとうございました。
原爆調査の回想録 翻訳出版
・・・・・・特に、7万人以上を対象にした新生児調査の描写は生々しい。自治体から出生情報を漏れなく入手し、生後6,7日までに地元採用の医師や保健師を伴って各家庭で検診した様子や、帰り際にせっけんを贈ると喜ばれたことなどを記述。原爆投下国による被害調査の徹底ぶりが伝わってくる。
一方、日本側の行政担当者との会議の「しきたり」や、沿道で無邪気に泥水で遊ぶ子どもたちの姿など、異国で見聞きした驚きをユーモアを交えて描写する。原爆被害の調査機関に勤務する日本人職員の複雑な心情も推し量る。利島さんは「遺伝学者としての任務とは別に、文化人類学的な鋭い視点で広島を観察していた」とみる。・・・・・・
廃墟からの歌声
原爆投下後の傷害調査にたずさわった遺伝学者の回想
ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳
2022/01/15
ISBN 9784788517516
4-6判・432ページ
定価 4,730円(本体4,300円+税)
« ◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第219号■ | トップページ | ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳『廃墟からの歌声』@朝日新聞 2022年3月19日付 »
「書評」カテゴリの記事
- 書評 ダーク・フォン・レーン 著『ハロルド・ガーフィンケル』 @図書新聞 2024年12月14日付(2024.12.10)
- 書評 内藤千珠子『「アイドルの国」の性暴力 増補版』@図書新聞 2024年11月23日号(2024.11.19)
- 書評 ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 著『「それ」のあったところ』@毎日新聞 2024年11月9日付(2024.11.12)
- 書評 ジョルジュ・ディディ=ユベルマン 著『「それ」のあったところ』@朝日新聞 2024年11月2日付(2024.11.05)
- 書評 三浦耕吉郎著『自然死(老衰)で逝くということ』@毎日新聞24年11月2日付(2024.11.02)
« ◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第219号■ | トップページ | ウィリアム・J・シャル 著 利島 保 訳『廃墟からの歌声』@朝日新聞 2022年3月19日付 »
コメント