書評 森 正人 著『文化地理学講義』@朝日新聞11月27日付
森 正人 著『文化地理学講義』の書評が、朝日新聞11月27日付の書評欄に掲載されました。
評者は生井英考氏。書評くださいました先生、掲載誌ご担当者様に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
・・・・・・本書はこうして生まれた「人間主義地理学」の系譜が地理学内外と折衝し、特に90年前後からの文化論的転回とグローバル資本主義の拡大の中でいかに理論的に展開してきたかを総覧する。理論に意欲的な著者の志向を反映して繰り広げられる文化地理学の学説史は、さながら現代思想のパノラマのように壮観だ。
・・・・・・
志賀重昂(しげたか)『日本風景論』から現代の新海誠アニメまで、本書が想起させる「日本的風景」は枚挙にいとまがないだろう。
かつて教科書はその道の大家が描く学知の結晶のごとく見なされたものだが、変化の大きな近年ではむしろ若手が任をになうにふさわしいように思う。同様に本書のような教科書も、高度成長とバブル期以来の景観の激変を目撃し、責めを負う中高年世代にこそ読まれてしかるべきだろう。
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『文化地理学講義』
〈地理〉の誕生からポスト人間中心主義へ
著者 森 正人 著
出版年月日 2021/09/24
ISBN 9784788517394
判型・ページ数 4-6・296ページ
定価 2,970円(本体2,700円+税)
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