書評 ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』(池田真歩訳) 長崎新聞、熊本日日新聞他 2021年12月12日付
ジョルダン・サンド著『東京ヴァナキュラー』(池田真歩訳)の書評が、長﨑新聞、熊本日日新聞、静岡新聞ほか共同通信配信にて 2021年12月12日付に掲載されました。
評者は安藤礼二氏。ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。
......「路地」に残された日常の生活として、またそこに残された無用の「もの」(建造物)として、東京の「ヴァナキュラー」をあらためて見出してきたのは、実はすべて外部の眼差しをもった生活者たちであり、観察者たちであった。有用性や功利性にもとづいた都市の再開発に対して、「日常性の政治」を実践することで抗い、都市の「無意識」が生み落とした生活や「もの」を守ろうとしてきた者たちであった。......
「ヴァナキュラー」を生みだすのは、固定された国家の文法ではなく、つねに変化しながら生成を続ける市民たちの文法だったのである。刺激的な都市論であると同時に優れた運動論であり芸術論でもある。
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