書評 内藤千珠子著『「アイドルの国の性暴力』@島根日日新聞 9月28日付
内藤千珠子著『「アイドルの国の性暴力』
の書評が、「島根日日新聞」9月28日付、「十勝毎日新聞」9月24日付に掲載されました。評者は永江朗氏。書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。
なんて刺激的な評論だろう。アイドルと慰安婦。イメージの異なる二つのものを同時に考えることで、隠されているものが見えてくる。題材は徳田秋聲の「縮図」や林芙美子の「浮雲」など戦中、戦後の小説から、桐野夏生の「路上のX」や松田青子「持続可能な魂の利用」など現代の小説まで。アイドルについて考えるとき慰安婦が補助線になり、慰安婦について考えるときアイドルが補助線になる。キーワードは「帝国的性暴力」である・・・・・・アイドルと慰安婦を考えるとき、戦時下の性暴力は平和時にも継続されていることに気付く。最初から最後まで居心地の悪さを抱えながら読んだ。すべての男は当事者である。
「アイドルの国」の性暴力
著者 内藤 千珠子 著
ジャンル 文学・エッセイ
出版年月日 2021/08/05
ISBN 9784788517349
判型・ページ数 4-6・288ページ
定価 3,190円(本体2,900円+税)
在庫 在庫あり
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