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2021年10月16日 (土)

書評 メディアがひらく運動史@図書新聞 2021年10月23日付

大野 光明・小杉 亮子・松井 隆志 編『メディアがひらく運動史

の書評が、「図書新聞」2021年10月23日付に掲載されました。評者は久保田隆氏。評者の先生、掲載紙ご担当者のかたにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。


・・・・・・編者たちは特集の意図を示しながら、「運動の中で生み出されたメディアの集積は、それ自体が別の運動的な営みにつながっていく」と記している。確かに、それが例えビラや機関誌紙であったとしても、内包されている言語の集積は、思念の有り様を潜在させているといっていい。・・・・・・


三橋敏明「日大闘争は、何を「経験/記録」したのか」では、日大全共闘書記長の田村正敏と七三年に、「無尽出版会」を設立して『無尽』に自らの経験を執筆し、日大闘争の「記録」づくりに取り組み」、四号まで刊行し、以後の「記録」づくりをめぐって述べていく。わたしが、当時、『無尽』創刊号に関心が向いたのはいうまでもない。

 「創刊号jは巻頭に私の拙文が置かれ、秋田明大とアナキスト詩人秋山清の対談「何が続くか」をトップに、田村正敏の「出発することの意味(1)、山本義隆の「加藤一郎公判調書」などを掲載して刊行された。」

 秋山は、日大予科入学という経歴はあるが、なによりも田村の熱心な誘いが大きかったと思われる。
 わたしは、日大闘争、東大闘争等を、全共闘運動といった総称で語られることに、幾らか逡巡する思いを抱き続けてきた。三橋の論稿のなかに、次のような箇所がある。

「日大闘争の行方は不透明になったが、バリケード生活に定着していた「愉快な時間」は維持されかわっていかなかった。日大闘争の方針や展望は重要だったが、私には自らの意思と力で手に入れた「愉快な時間」を、いつまでもいつまでも持続させたかった。」


 わたしは、この文章に接して、いまだからいえる感慨がある。三橋が「時間」という認識なら、わたしは、「関係性」という感覚があったと思い返している。「愉快な関係性」と、いまだからいえるのかもしれないが、一人一人の考え方が違っていても、なにか分かり合える関係性というものが、生起していたことを思い出すのだ・・・・・・

 

 

9784788517332 社会運動史研究 3
メディアがひらく運動史

著者 大野 光明 編
小杉 亮子 編
松井 隆志 編
出版年月日 2021/07/15
ISBN 9784788517332
判型・ページ数 A5・240ページ
定価 2,640円(本体2,400円+税)
在庫 在庫あり

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