◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第212号■
2021年6月29日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第212号■
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◇トピックス
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○書評・紹介
●やぎひろみ著・横山ふさ子絵
『いのちに寄り添う自宅介護マニュアル』(A5並製・本体1800円)、高齢者の食、住、排泄、睡眠などを自然にサポートする工夫を、自宅で母親を10年間介護した著者が、身近なグッズやアイデアを交えて紹介した、新しい介護マニュアルです。
●ミサ、ヌーヴェル著/橋本一径訳『ドーピングの哲学』(四六上製・本体4300円・2017年刊行)という本があります。ドーピング撲滅運動の問題点を指摘し、「スポーツ=健康」は幻想という点を鋭く指摘した意欲作です。コロナ禍でスポーツのありようというものが問われるなか、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
●松本光太郎著『老いと外出――移動をめぐる心理生態学』が2020年度人間・環境学会賞を受賞いたしました。
●才津祐美子著『世界遺産「白川郷」を生きる』(A5上製・本体2800円)が、第46回「今和次郎賞」(日本生活学会主催)を受賞しました。今和次郎賞は1975年に制定され、宮本常一や梅棹忠夫が受賞している歴史ある賞です。
○新曜社ウェブマガジン
更新しました
◎赤地葉子先生(『北欧から「生きやすい社会」を考える』著者)、寄稿
「生きる力を育む包括的性(セクシュアリティ)教育――「寝た子を起こすな」の過ち――」
◇近刊情報
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7月中旬発売予定
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感覚が生物を進化させた
――探索の階層進化でみる生物史
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実重重実 著
四六判並製272頁・本体2500円+税
ISBN 978-4-7885-1730-1 C1045
分野=生物学
ダーウィニズムの言うように、進化は遺伝子の突然変異に始まり、生物は受動的に環境から選別されるだけの存在なのだろうか。21世紀生物学の知見を踏まえ、生物の感覚や主体性も生命の階層進化に関わっていることを、様々な事例で生物の歴史からたどる。
*好評『生物に世界はどう見えるか』の著者、渾身の第2作!
著者 元・農林水産省農村振興局長、現全国山村振興連盟常務理事兼事務局長
著者著作(4刷)
好評 生物に世界はどう見えるか
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b487828.html
7月下旬発売予定
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「アイドルの国」の性暴力
――
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内藤千珠子著
四六判上製288頁・本体2100円+税
ISBN 978-4-7885-1734-9 C1090
分野=文学評論・思想
現代日本の性暴力は、ナショナリズムとジェンダーの複合した形で現われている。具体的には、「アイドル」と「慰安婦」問題を中心に、戦時と現代に共通する「性の商品化」「身体の経済化」の問題として、文学作品や風俗のなかに鮮やかに浮き彫りにする。 117 "・現代の日本にはびこる「見えない暴力」のルーツを近代日本の歴史、文学のなかに暴く。
*現代の日本にはびこる「見えない暴力」のルーツを近代日本の歴史、文学のなかに暴く。
*「おやじ的権力」と「アイドル」「慰安婦」そして結婚制度内の女性の関係を「見える化」する。
著者 大妻女子大学准教授
著者著作
愛国的無関心 「見えない他者」と物語の暴力
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455553.html
帝国と暗殺 ジェンダーからみる近代日本のメディア編成
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b456011.html
7月下旬発売予定
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わたしたちはなぜ笑うのか
――笑いの哲学史
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中山 元 著
四六判並製224頁・本体2300円+税
ISBN 978-4-7885-1735-6 C1010
分野=思想・哲学
人はなぜ笑うのか。赤子の無垢な笑いからも、人が社会的動物になるために笑いは必須であろう。ソクラテスからデカルト、スピノザ、ニーチェ、フロイトまで、ユーモア、アイロニー、ウィットなどの笑いから哲学史をたどり、笑いの多様性と意味をも探る。
*V・フランクルは、ユーモア(笑い)は強制収容所を生き延びるために不可欠であったという。
*コロナ禍というマスクで口を覆わざるをえない時期ですが、笑いを忘れないようにしましょう。
著者 哲学者・翻訳家
著作・訳書
思考のトポス 現代哲学のアポリアから
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455984.html
ドゥルーズ哲学のエッセンス 思考の逃走線を求めて
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455847.html
フーコー 思想の考古学
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455809.html
ハンナ・アレント〈世界への愛〉
https://www.shin-yo-sha.co.jp/book/b455645.html
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編集後記
先日訪れた書店さんで、「書物復権」というフェアをやっていた。人文書版元有志で品切れしているが特に要望の強い書籍を復刊して、店頭でお披露目するという企画だ。今年は11社で25点の書籍を復刊したようだ。
おー今年もこの季節になったのかと棚を見て、すぐ目に留まったのが『校正のこころ 積極的受け身のすすめ』(大西寿男著・創元社)である。本のカバー、本文の書体がいい。100年ぐらい前に出版されたような趣があるのだ。また副題の「積極的受け身」という言葉がジョン・キーツのネガティブケイパビリティを想起させ、その態度は私の知る校正人にじつにあてはまるというところも即買いの理由だ。創元社さんの知り合いに後日聞くと、すでに重版が決まったとのこと。じつによろこばしいことです。
さて校正について。私にいちばん欠けている技術である。このメールマガジンもずーっとつくってきたけれども、いつも送信し終えてから間違いが発覚する。メールマガジンだけでなく、サイト上の書籍の案内、書評の紹介、ツイッターでの案内、いつもなにか間違えている。ずっと申し訳ない、ごめんなさいと言い続けているのだ。
しかし校正のこころとはそんなまちがい探しとは別のとこをこえて、よりよくするために整えるという次元のことである。世の中にあふれる攻撃し、懲らしめようとすることばを前にどう向きあえばよいかこの本は教えてくれる。
「校正者が言葉に一つの自律した人格を見出すように、この世界の生きづらさにもいのちがあって、何かを叫びたがっていると考えるのはおかしなことでしょうか。あなたのところにやってきた生きづらさそのものを相手に、一対一の静かな対話を結ぶことができたなら、ほんとうはこういいたかったという、混乱のうちに世界が見失った言葉が真のあるべき姿を回復して、あなたの心の耳に聞こえてくるかもしれません。何かを能動的に「する」のは、そのときからでもでも遅くはないのではありませんか?」
誤字脱字をなくすと同時に、このSNSの時代につねに心にとめておきたい態度である。(中山)
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◇奥付
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次回発行は2021年7月下旬を予定しております。
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