書評 櫻井茂男著『思いやりの力』@図書新聞 2021/4/14付
櫻井茂男著『思いやりの力』の書評が、「図書新聞」2021年4月11日付に掲載されました。評者は黒川 類氏。評者の先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。
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著者は、「自分の共感性を育てるポイント」として、「愛する人を作ること、または信頼できる人を作ること」、「幸福感、自己肯定感、有能感をもつこと」を挙げている。また、「幼少期に養育者からしっかり愛された安定したアタッチメントが形成された人は、基本的に自己肯定感を持っています。もし幼少期に基本的な自己肯定感が持てなかったとしても、成長の過程で自分を無条件に愛してくれる人ができれば、自己肯定感は培われます。自己肯定感が培われれば、自分にとらわれる利己性が低減し、他者のことを思う向社会性や共感性が促進され、向社会的行動も増えることが期待できます」と述べていく。
そして最後に、「幸福感、自己肯定感、有能感の形成を通して間接的に共感性を育む」ことを推奨する。それは、「自己にやさしくすること――セルフ・コンパッションの実現」ということになる。他者にやさしくすることは、自分にもやさしくすることに他ならない。まさしく、それが「関係性」をかたちづくっていくことになるといっていい
思いやりの力
共感と心の健康
著者 櫻井茂男 著
ジャンル 心理学・認知科学・臨床
出版年月日 2020/11/10
ISBN 9784788516922
判型・ページ数 4-6・208ページ
定価 2,420円(本体2,200円+税)
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