紹介 牧野陽子著『ラフカディオ・ハーンと日本の近代』、3月18日付山陰新聞
牧野陽子著『ラフカディオ・ハーンと日本の近代』(四六判・本体3600円)が、3月18日付山陰中央新報書評欄にて紹介されました。評者は佐貫公哉氏。掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。
松江ゆかりの文豪小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、日本に関する数多くの作品を著し、洋の東西を問わず読み継がれている。八雲は、神仏習合や先祖崇拝などを軸とする「日本人の内なる生活」に注目し、一つの価値観を強要する近代西洋文明を問い返す力があると見た。
3部構成の本書では、八雲の思想を鍵として、日本の近代が考察される。第1部は、八雲が捉えた日本古来の宗教的心性と現代における意義を論じ、八雲の日本観をたどり直す。八雲作品の受容のありように焦点を当てた第2部では、柳田国男「遠野物語」と八雲「知られぬ日本の面影」が合わせ鏡のようにつづられ、柳宗悦の民芸論には八雲「日本人の微笑」の影響が見られると指摘する。
第3部は、「宗教・庶民・自然」という八雲の関心と重なり合う光景を見つめた作家たちとして、明治初期のイザベラ・バードや、林芙美子の戦後の作品などを読み解く。
(新曜社・3960円)
ISBN 9784788517004
判型・ページ数 4-6・392ページ
定価 本体3,600円+税
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