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2020年9月

2020年9月28日 (月)

書評 日比嘉高 著『プライヴァシーの誕生』@毎日新聞 2020年9月26日付

日比嘉高 著『プライヴァシーの誕生』の紹介が「毎日新聞」2020年9月26日付に掲載されました。
評者は張競氏。ご書評いただきました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

 

明治以来、小説のモデルとされた人物が多くおり、作家とモデルとのあいだにトラブルは絶えない。モデル小説をめぐる争いを解明したり、作家研究の一環として論じたりするものはこれまでにもあったが、「私的領域」という意識の誕生と変遷との関係性において、この問題を問い直すのは初めての試みである。・・・・・・
・・・・・・

モデル小説の歴史的展開を分析することで、「私生活」の意識、プライバシーの観念がどのような経過をたどって変化してきたかが明らかになった。さらに、「虚構」の二面性、文学とメディアとの寄生関係、<読み>という行為の暴力性など、多くの問題が焙り出されて興味深い・・・・・・

毎日新聞書評ページ

 

9784788516854_20200923111701  プライヴァシーの誕生
 モデル小説のトラブル史

 日比 嘉高 著
 出版年月日 2020/08/12
 ISBN  9784788516854
 判型・4-6判・308ページ
 定価 本体2,900円+税

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2020年9月25日 (金)

紹介 内田由紀子著『これからの幸福について』@2020年9月18日付神戸新聞「日々小論 日本人と幸福」

2020年9月18日付神戸新聞「日々小論 日本人と幸福」に内田由紀子著『これからの幸福について』が紹介されました。筆者は松岡健論説委員。ありがとうございました。


・・・・・・内田由紀子京都大学教授の近著「これからの幸福について」では、協調的幸福尺度というものを紹介している。「大切な人を幸せにしていると思う」「平凡だが安定した日々を過ごしている」。日本人が願うような穏やかで周りと調和した幸福感を測るために、内田氏らが考案した。

個人的な達成が前面に出る欧米の物差しではなく、協調的幸福尺度で調べると日本は全体の中で低くならず、他国の結果も妥当だった。経済成長に限界が見えた脱成長社会では、協調的な幸せは文化を越えて共有されるのではないかという。・・・・・・

つづきは→
神戸新聞NEXTサイト 「日々小論 日本人と幸福」





9784788516793  これからの幸福について
 文化的幸福観のすすめ
 内田由紀子 著
 2020/05/25
 ISBN 9784788516793
 4-6判・192ページ
 定価 本体2,200円+税
 





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2020年9月23日 (水)

書評 日比嘉高 著『プライヴァシーの誕生』@図書新聞 2020年9月26日号

日比嘉高 著『プライヴァシーの誕生』の書評が「図書新聞」2020年9月26日号に掲載されました。
評者は中山弘明氏。ご書評いただきました先生、掲載紙ご担当者さまにこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。

・・・・・・
・・・・・・

(そして)本書の読みどころになっているのは、「漱石山脈の争乱」として有名な、長女筆子をめぐる久米正雄と松岡譲の「破船」事件である。これを「ゴシップの時代」の先駆けと読み、〈私的領域〉の商品化として論じていくことで、旧来からある「閉じた文壇」、「自閉的な私小説」という文脈を反転させ、大衆文学への通路を開いていく展開は鮮やかである。著者は言う。「『純文学』は閉じていない」と。〈私的領域〉への窃視の願望は、実話・告白・ゴシップを欲望する読者の意識レベルではなんら相違ないことになる。・・・・・・

「ゴシップ」を鼻白むことはたやすいが、こうした〈私的領域〉の商品化の中に、本書が突く文学の本質的な部分があることもまた疑いがないからだ。あるいは文学研究にもう少し接近するなら、こうした作家とモデル問題を体系的に追跡した先駆として神崎清著『名作とそのモデル』(一九五〇)がある。これは、伊藤整『日本文壇史』の参考文献としてもあげられるが、神崎は「女学生の卒論に供する」ことを目的に、『少女文学教室』などの一連の書物を陸続と刊行しており、このあたりが恐らく文学研究と「モデル」問題の学的源流ではないかと思える。
・・・・・・

本書が追求しているものは、けして上辺のゴシップではない。むしろ極めて人間的な「出来事の手触り」でこそあることを忘れたくない。




9784788516854_20200923111701  プライヴァシーの誕生
 モデル小説のトラブル史

 日比 嘉高 著
 出版年月日 2020/08/12
 ISBN  9784788516854
 判型・4-6判・308ページ
 定価 本体2,900円+税










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2020年9月10日 (木)

◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第203号■

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2020年9月8日発行
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◎新曜社<新刊の御案内>■メール版 第203号■

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◇トピックス
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〇書評・紹介

服部徹也著『はじまりの漱石―『文学論』と初期創作の生成』の書評が、2020年8月27日号「週刊読書人」に掲載されました。評者は石原千秋先生。

https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2020/09/post-1c7bbb.html

 


小倉孝誠編著『ワードマップ世界文学へのいざない』の書評が図書新聞 2020年9月5日号に掲載されました。評者は大浦康介先生。

https://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2020/09/post-ebfb5c.html


ご書評くださいました先生、ご掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。

 


アリス・ミラー著、山下公子訳『魂の殺人』(四六判上製・本体2800円)が清水有高氏のYou Tube「一月万冊」にて今一生先生との対談で紹介され、売れております。現在重版中、9月10日出来です。
https://twitter.com/shin_yo_sha/status/1300238131048771584

 

 

〇イベント情報
<フェアのご案内!>三省堂書店神保町本店様にて「ここにあります!売れている心理学書2020」が開催されております。心理学書販売研究会12社の基本書と新刊が勢ぞろい、圧巻のフェアです。~9月末まで開催。
三省堂書店神保町本店5階フェア企画コーナーです。ご来店をお待ち申し上げます。

https://twitter.com/shin_yo_sha/status/1288991401246507008

 


○新曜社ウェブマガジンがはじまりました。
https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/

 


◇近刊情報
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9月末発売予定
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高齢者のもの忘れを測る
――リーディングスパンテストによるワーキングメモリ評価
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苧阪満里子 著
A5判並製304頁・予価4500円+税
ISBN 978-4-7885-1696-0 C3011
分野=心理学


加齢とともに「物忘れ」が急速に増加し、認知症の危険も高まりますが、これにはワーキングメモリの減少が関わっています。本書は、高齢期の人たちを対象として、ワーキングメモリを簡便に測定できるよう開発されたテストとそのマニュアルです。

*専門家だけでなく、家庭でもできるワーキングメモリのテスト


著者 国立研究開発法人情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター主任研究員

 


9月末発売予定
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絵本がひらく心理臨床の世界
――こころをめぐる冒険へ
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前川あさ美・田中健夫 著
A5判並製176頁・本体2200円+税
ISBN 978-4-7885-1694-6 C1011
分野=臨床心理学・絵本学


大人にとっての絵本とは? 忘れていた遊びごころ、思い込みからの解放――絵本によって深く揺さぶられ、ほぐされるこころの在りようを、心理臨床の視点から、ときにはひとりの親として読み解いていきます。人生に豊かな気づきをもたらす絵本の世界へ!

*絵本でこころを解き放つ!
*80冊以上の絵本を紹介。図版多数。

著者:前川あさ美 東京女子大学現代教養学部教授
   田中健夫 東京女子大学現代教養学部教授

 


10月上旬発売予定
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思いやりの力(仮題)
――共感と心の健康
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櫻井茂男 著
A5判並製208頁・予価2200円+税
ISBN 978-4-7885-1692-2 C1011
分野=心理学


思いやりはよい人生の根幹!
死ぬときに幸せだったと思えるには? 答えは千差万別。でも人を思いやることができた人は心も平安ではないでしょうか。人は時に利己的です。思いやる心はどう育つのか、思いやりのない人とどうつきあえばいいのか。心理学の成果をわかりやすく解説。


著者:筑波大学名誉教授

 


10月上旬発売予定
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本心は顔より声に出る
――感情表出と日本人
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重野 純 著
四六判並製176頁・本体1900円+税
ISBN 978-4-7885-1691-5 C1011
分野=心理学


KYの人もそうでない人も、納得!
日本人は感情をあらわにせず「空気を読む」といわれ、欧米人には奇異に受け取られることがあります。話し手の本当の感情(本心)のごまかしは顔でするのか、声でするのか、言葉でするのか―欧米人との比較からわかった日本人のコミュニケーション。


著者:青山学院大学名誉教授

 


10月上旬発売予定
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創造性と脳システム
創造性(仮題
―イノベーション時代の脳システム
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エルコノン・ゴールドバーグ 著
武田克彦 監訳
四六判上製416頁・予価4300円+税
ISBN 978-4-7885-1695-3 C1047
分野=脳科学


生物学的視点と文化的視点の統合
イノベーションの時代、創造性をどう高めるか、発揮するかへの関心がますます高まっています。脳研究の最新成果から人工知能の創造性の問題まで、幅広い知見を新しい視点から統合して、脳科学の専門家にも専門としない人にも楽しく読めるよう提示。


著者 ニューヨーク大学の医学部神経学臨床教授、ルリヤ神経科学研究所所長
監訳者 文京認知神経科学研究所所長、東京医科大学神経学分野兼任教授

 

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◇奥付
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次回発行は2020年10月中旬を予定しております。

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2020年9月 7日 (月)

書評 小倉孝誠編著『ワードマップ世界文学へのいざない』@図書新聞 2020年9月5日号

小倉孝誠編著『ワードマップ世界文学へのいざない』の書評が図書新聞 2020年9月5日号に掲載されました。評者は大浦康介氏。
ご書評くださいました先生、ご掲載紙ご担当者様に心よりお礼申し上げます。


・・・・・・本書『世界文学へのいざない』は、日本や欧米はもちろん、中国、韓国、ラテンアメリカ、カリブ海、アフリカといった諸地域の文学を、作品単位で扱った論集である。計三〇の論考は、「自己と他者」、「性愛とジェンダー」、「異邦と越境」、「歴史をどう語るか」など、八つのテーマのもとに章分けされ、それらを縫うようにして、より一般的なジャンル論や地域文学論(ラテンアメリカ文学、フランス語圏文学、沖縄文学など)で情報を補完するコラムが配されている。コンパクトで中身が濃い論集である。

それぞれの論考には、対象作品のあらすじを丹念に追うものもあれば、作者の出自や経歴や作品の成立過程にふれるものもある。歴史的・社会的位置づけを重視するものもあれば、物語構造の解明やテクスト分析に踏み込むものもある。ジェイン・オースティン、ディケンズ、バルザック、ゾラ、カフカ、ジョイス、トーマス・マンといった「大御所」が扱われる一方で、久生十蘭、林芙美子、崎山多美、マルコムXといった「マイナーな」作家にも光が当てられる。アメリカのフェミニスト作家シャーロット・パーキンス・ギルマンの日記小説、スペインの児童文学作家エレーナ・フォルトゥンやカタルーニャ語で書いたマルセー・ルドゥレダの作品、南京陥落を扱ったアーロンの群像小説、二十世紀中国の波乱万丈の歴史を描く李鋭の大河小説など、私のように本をあまり読まない人間には発見も少なくなかった。一冊で何度も「おいしい」本である。

現下のコロナ禍を意識した、本書の副題にもある「危機の時代」云々は、失礼ながら私にはセールストークに聞こえる。そんなキャッチフレーズなどなくても、本書には読み応えのある論考がいくつも並んでいる。順番など気にせず、場合によってはテーマ分けすら無視して、食指の向くままに読み進んでいいのではないか。書誌情報も充実しているので、文学研究を志す学生や若手研究者にとって貴重なハンドブックともなるだろう。

 

9784788516830

 ワードマップ 世界文学へのいざない
 危機の時代に何を、どう読むか
 小倉 孝誠 編著
 2020/06/05
 ISBN 9784788516830
 4-6判・328ページ
 定価 本体2,700円+税

 

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2020年9月 4日 (金)

書評 服部徹也著『はじまりの漱石―『文学論』と初期創作の生成』@「週刊読書人」2020年8月27日号

服部徹也著『はじまりの漱石―『文学論』と初期創作の生成』の書評が、2020年8月27日号「週刊読書人」に掲載されました。評者は石原千秋氏。評者の先生、掲載紙ご担当者のかたに、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

・・・・・・
(ところが、)実際に漱石がどういう講義を行ったいたのかを本格的に調査した研究者はいなかった。その理由は参照できる受講生の講義ノートの少なさと、仮に参照できたとして、それが漱石の講義を正確に写し取ったものかが検証出来ないと考えられていたからである。

それならばと、服部徹也氏は講義ノートを徹底的に探し出して調査し、古典の写本研究のようにそれらの関係を明らかにしてつき合わせることで、『文学論』講義の復元を試みたのである。これは初めから不可能だとわかっている仕事である。推量形の論述がどうしても多くなるが、それはテーマが推量形の論述を要求し、それに誠実に従ったからだ。いつかは誰かがやらなければならなかった仕事に、服部氏が挑戦したのである。これに敬意を払わなくて、何に敬意を払えばいいのかと思う。

服部氏は『文学論』の中心的課題は、漱石が「間隔論」と呼ぶものにあると考えている。それは、文学が読者との間隔をいかになくすことができるのかという一種の読者論である。『文学論』の中心が読者論であるという理解は漱石研究ではまだ十分に共有されてはいないが、正確な理解である。そこで、文学が読者によっていかにイメージ化されるかという点に焦点を絞る。文学と舞台、文学の中の幽霊、文学と幻惑、文学と群集心理、文学と描写などなどという具合に、『文学論』の稜線に沿って分析される。なぜ舞台なのかと言えば、漱石はイギリス留学中に学んだシェイクスピアを講義していたからであり、なぜ幽霊なのかと言えば、「マクベス」の見た幽霊を観客に見せるか否かについて、演出の問題を漱石が詳しく論じているからだ。漱石はこれが読者の抱くイメージの質につながると考えていた。こうして並べてみただけでも、服部氏の問題設定がいかに適切であるかがわかろうというものだ。
・・・・・・

9784788516434『はじまりの漱石 』
『文学論』と初期創作の生成

服部 徹也 著
2019/09/06
ISBN 9784788516434
A5・400ページ
本体4,600円+税

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