書評 鈴木七美著『エイジングフレンドリー・コミュニティ 』@図書新聞 2020年1月1日号
鈴木七美 著エイジングフレンドリー・コミュニティ の書評が、
図書新聞 2020年1月1日号に掲載されました。評者は小辻寿規氏。掲載ご担当者様、書評くださいました先生に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
「高齢者にとって望ましい居場所づくりのヒントとなる書
―多くの人が知らなかった居場所の在り方を提起する」 小辻寿規氏・評「高齢者の居場所」、日本において社会的孤立や孤独死等が問題視される今、「コミュニティ・カフェ」や「まちの縁がわ」などと呼ばれるものや「認知症カフェ」が増加している。独居高齢者が増加し、厚生労働省が地域の支え合いの重要性を唱える中で各自治体においてもその助成制度が充実してきている。
ただ、そこまで充実してきた日本の高齢者の居場所が利用者である高齢者にとって望ましい環境であるかといえば、本当にそうであるか怪しい。高齢者の社会的孤立や孤独死を減らそうと考えて運営者たちは日々努力されているのだが、その思いは成就せず結局のところ活動を休止もしくは中止してしまう事例が後を絶たない。どうずれば、利用者にとって望ましい居場所になるのであろうか。そのヒントとなるのが本書である。これから高齢者の居場所づくりをはじめたいと考えた方や居場所づくりに疲れたと感じた方にぜひ手にとっていただきたい。
本書は人類学者による研究書であり、これまでのエイジング研究をまとめたものになっている。・・・・・・
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現在の日本において、人は一つの場所に定住することは難しい。人生を考えた場合、進学や就職、結婚等のみではなく、高齢期においての移住も非常に多い。パートナーの死去に伴い一軒家からマンションに引っ越す人もいれば、介護が必要になった際に自らの子女宅やその近辺に引っ越す人もたくさんいる。生きるということは常に新たな関係性をつくっていくことともいえる。その際に必然的に様々なコミュニティに属していかなければならない。・・・・・・
・・・・・・現実は個性に合わせた場所が見つからず、皆が苦労している。本書が持つ意味は多くの人が知らなかった居場所の在り方を提起したことにある。これからの超高齢社会においてエイジングフレンドリー・コミュニティが着目されていくことになるだろう。その起点となったのが本書と後日いわれることになるのではないだろうか。
エイジングフレンドリー・コミュニティ
超高齢社会における人生最終章の暮らし方
鈴木 七美 著
2019/09/02
ISBN 978-4-7885-1645-8
四六判・256頁
定価 本体2,800円+税
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