書評 上杉 忍著『ハリエット・タブマン』@朝日新聞2019年4月20日付
四六判並製288頁
定価:本体3200円+税
発売日 2019年3月15日
ISBN 978-4-7885-1608-3
2019年4月20日付朝日新聞にて、書評掲載されました。評者は西崎文子氏。掲載紙ご担当者、ご書評くださいました先生に心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。ほか晃洋書房刊『自由への道』キャサリン・クリントン著、も同時に紹介
米国の負の歴史生き抜いた記録
・・・・・・「南北戦争が勃発すると、タブマンは北軍と共に行動し、南部での土地勘や「地下鉄道」で培った人的つながりを生かして傷病兵の看護や軍事作成の手引きをした。カンビー川沿いの南軍の要塞を破壊し、750人もの奴隷を解放した作戦は彼女あってのものだった。戦後はニューヨーク州で貧しい黒人のホーム建設に尽力し、支援者に囲まれながらも極貧の生涯を閉じる・・・・・・
>>>>>朝日新聞(有料記事)
プロローグ
二〇一六年四月二〇日、当時のアメリカ合衆国財務長官ジェイコブ・J・ルーは、二〇二〇年の女性参政権獲得一〇〇周年を機会に二〇ドル紙幣の表面に黒人女性ハリエット・タブマンの肖像を掲載する方針を発表した。現在、表面に掲載されている第七代大統領アンドルー・ジャクソンの肖像は裏面に移されるとのことである。もしこの計画が実施されることになれば、アメリカの紙幣に女性、しかも黒人の肖像画が印刷されるのは史上初めてである。
このことについては、日本の新聞やテレビでも報道されたので覚えておられる方も多いかもしれないが、日本ではまだハリエット・タブマンのことは、ほとんど知られていないので、あまり関心を持たれなかったようである。
これとは対照的にアメリカでは、子どもたちは教室でタブマンのことを学び、タブマンのことを知らない人は珍しいといわれている。タブマンをテーマとした絵本や読み物、DVDなども数多く出回っている。ちなみにタブマンは、南部メリーランド州の奴隷制度の下から一人で北部に・・・・・・・・
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