新刊 ゲルダ・サンダース『記憶がなくなるその時まで』
ゲルダ・サンダース 著
藤澤玲子 訳
四六判並製336頁
定価:本体2800円+税
発売日 2019年3月25日
ISBN 978-4-7885-1625-0
3月27日配本、3月29日頃書店にて発売予定です。
本書は、ゲルダ・サンダース(Gerda Saunders)著、Memory’s Last Breath: Field Notes on My Dementia, Hachette Books, 2017 の全訳である。本書は、若年性認知症の診断を受けた元学者の著者が、自らの過去や現在について内側と外側の両方から観察し、未来についての決断に至るまでの手記である。その過程で、自己とは何か、人間とは何か、生きているとはどういうことなのかということまで模索している。認知症をテーマとしているが、決して単なる闘病記ではない。冷静で客観的な観察眼を持ちながらも、どんな状況でもそこにユーモアを見出す著者の前向きな人柄が溢れる明るい内容となっている。認知症を患う人や家族が、様々な知識を得たり違った考え方を知るチャンスになるだけではなく、認知症とは無関係な人にとっても、人の生への洞察を深めることのできる本であろう。
手記は、大きく三つの流れで構成されている。一つ目は、認知症についての調査内容であり、現在までの学術的背景である。単純に科学的な調査結果を述べるのみならず、哲学や文学など幅広い視点から認知症やそれに関わる記憶、脳、生と死を見つめたものとなっている。また、医療関係者やジャーナリストなど・・・・・・・・
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