小熊英二著『〈民主〉と〈愛国〉』 朝日新聞「好書好日」平成の30冊 第9位に
小熊英二著
『〈民主〉と〈愛国〉――戦後日本のナショナリズムと公共性 』
が、朝日新聞「好書好日」が選ぶ 平成の30冊、第9位に選ばれました。
「戦後日本の代表的知識人を取り上げ、ナショナリズムと公共性の複雑なねじれを論じている。文学的なのも特徴的で、江藤淳論は特に優れている」(間宮陽介氏)
朝日新聞「平成の30冊」を発表
⑥4-10位を紹介 「震災後」をいかに生きるか
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小熊英二 著
〈民主〉と〈愛国〉
――戦後日本のナショナリズムと公共性
A5判968頁
定価:本体6300円+税
発売日 02.10.31
ISBN 4-7885-0819-2
本書の紹介
次つぎと話題作を発表してきた小熊英二氏の〈日本人〉論第3弾の詳細をお知らせいたします。
今回は、太平洋戦争に敗れた日本人が、戦後いかに振舞い思想したかを、占領期から70年代の「ベ平連」までたどったものです。戦争体験・戦死者の記憶の生ま生ましい時代から、日本人が「民主主義」「平和」「民族」「国家」などの概念をめぐってどのように思想し行動してきたか、そのねじれと変動の過程があざやかに描かれます。
登場するのは、丸山真男、大塚久雄から吉本隆明、竹内好、三島由紀夫、大江健三郎、江藤淳、さらに鶴見俊輔、小田実まで膨大な数にのぼります。現在、憲法改正、自衛隊の海外派兵、歴史教科書などの議論がさかんですが、まず本書を読んでからにしていただきたいものです。読後、ダワー『敗北を抱きしめて』をしのぐ感銘を覚えられること間違いありません。
◆『〈民主〉と〈愛国〉』、第57回毎日出版文化賞受賞!◆
小熊英二著『〈民主〉と〈愛国〉』が、本年度日本社会学会奨励賞に続き、第57回毎日出版文化賞を受賞いたしました。「・・・・・・「高級な」言説が多々登場するが、著者のねらいはこれらの思想のなかににじみ出てくる「情」を明るみに出すことである。・・・・・・理論的な語りのなかに表出される「情のうごめき」の歴史こそ、知識人をふくむ日本人の「こころの歴史」になる。著者は吸引力のある論客を扱いながら、のみこまれないで、冷静な距離をとることができた。主題の選択といい、叙述方法の工夫といい、まことに斬新である。近年の名著といえよう」
(選考委員のことば:今村仁司氏)
◆『〈民主〉と〈愛国〉』、第3回大佛次郎論壇賞受賞!◆
小熊英二著『〈民主〉と〈愛国〉』が、本年度日本社会学会奨励賞、第57回毎日出版文化賞に続き、第3回大佛次郎論壇賞受賞を受賞いたしました。
今年度受賞作は小社『〈民主〉と〈愛国〉』の他に、篠田英朗著『平和構築と法の支配』(創文社) が受賞しました
大佛次郎論壇賞(朝日新聞社主催)とは? =
「小説、ノンフィクションなど幅広い分野で多くの作品を残した作家大佛次郎氏(1897-1973)の業績をたたえ、朝日新聞社は73年に大佛次郎賞を設け、優れた散文作品を顕彰、これに加え、わが国の論壇の活性化に寄与し、また21世紀のわが国の針路を指し示す一助になることを目指し、01年1月、新設される」。
ちなみに本年度(2003年)第30回大佛次郎賞は山本義隆著『磁力と重力の発見』(みすず書房)に決まりました
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