書評 友田明美・藤澤玲子 著『虐待が脳を変える』 日本経済新聞 12月8日(土)読書欄「今を読み解く」
●友田明美・藤澤玲子 著『虐待が脳を変える』 が日本経済新聞 12月8日(土)読書欄「今を読み解く」に取り上げられました。
評者は奥野修司氏。ありがとうございました。評者の先生、掲載紙ご担当者様に深くお礼申し上げます。
「今を読み解く」 虐待と児童相談所の役割 限界見す未来に投資を
ノンフィクション作家 奥野修司氏 2018年12月8日付 日本経済新聞
「......最近は「死ね」といった言葉で子供の存在を否定する心理的虐待が半数を超え、身体的虐待、ネグレクト、性的虐待がそれにつぐ。虐待は子供の精神と肉体を破壊するだけではない。その子の人生をも奪う。増える虐待に、最前線で向き合っているのが全国の児童相談所である。虐待の恐怖は子どもの脳を変質させることだという。最近まで虐待によって傷ついた脳は、治療で再プログラムで出来ると考えられたが、そうではないらしいというのが、友田明美・藤澤玲子著『虐待が脳を変える』(新曜社・18年)である。「幼児期に虐待を受けると、虐待の中で生き抜くために特化した脳に整備される」、つまり、脳が虐待という環境に適応して変質するのだという。その影響が最も大きいのは感受性期で、身体的虐待なら6~8歳だそうだ。脳を変えるとは殺人にも準じる行為である。そのことはもっと知られるべきだろう......」ほかとりあげられた書籍は槙泰俊著『ルポ児童相談書』(ちくま新書・17年)山脇由貴子『告発 児童相談所が子供を殺す』(文春新書・16年)
――脳科学者からのメッセージ
四六判並製208頁
定価:本体1800円+税
発売日 18年1月15日
ISBN 978-4-7885-1545-1
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