新刊 桜井 洋『社会秩序の起源』
桜井 洋 著
A5判上製558頁
定価:本体6500円+税
発売日 17.11.10
ISBN 978-4-7885-1547-5
見本出来ました。
11月10日ごろ書店に並びます。
あとがき
本書は、心と社会を「なる」という観点から理解する一般理論の試みである。「なる」という思考法は、日本の文化だけに限られるものではないが、日本では馴染み深いものである。丸山真男は論文「歴史意識の『古層』」の中で、世界の諸神話に見られる宇宙創成論の発想を「つくる」「うむ」「なる」の三つにまとめ、これらのうち、「つくる」と「なる」が対極をなし、「うむ」はその中間に位置づけられると言う。「つくる」型の神話の代表は「神が世界を作った」とするユダヤ=キリスト教の世界創造神話であり、日本神話は「なる」発想の磁力が強い(丸山 1992: 299-300)。「つくる」と「なる」は本書の概念では言うまでもなく、「する」と「なる」に相当する。丸山はこの「なる」という考え方が、日本人の思惟の古層であると考える。この「なる」という思考法は、彼によれば「永遠不変なものが『在』る世界でもなければ、『無』へと運命づけられた世界でもなく、まさに不断に『成り成』る世界にほかなら」(同: 309)ない。
「なる」ことが不断に「成り成る」ことであるなら、・・・・・・
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