紹介 中江桂子 著 『不協和音の宇宙へ――モンテスキューの社会学』
「北海道新聞」夕刊、「新潟日報」、「大阪日日新聞」ほか(2017年8月23日~)、
「解読×現代 不協和音」欄にて
中江桂子 著『不協和音の宇宙へ――モンテスキューの社会学』
が引用されました。掲載記事ご担当者さまに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
不協和音とは、聞く人を不安定な気持ちにさせる、不調和な音。音楽の世界を飛び出し、集団の安寧をくずし、均衡をゆがめる「異分子」のメタファー(隠喩)として、社会全体でも疎まれる言葉となった。でも「不協和音」って、本当に悪者?
……
モンテスキューの専門家で成蹊大教授の中江桂子は3月末、「不協和音の宇宙へ」(新曜社)を出した。帯に「不協和音のないところに自由はない」とある。17世紀末に生まれたモンテスキューは、著作「法の精神」で三権分立を唱えたことで知られる。中江は「背景にあった、多様性を重視する思想を知ってほしい」と話す。
「モンテスキューは、同町圧力が高まって、共感できない人を排除するという社会を、社会とはみなさなかった。むしろ、異質な人、自分にとって不都合な人と、関係性をつくり出して共存していくことが重要で、そうして初めて、社会といえると考えていた」
……
不協和音は、時と場合によって、ハーモニーを生みだす。不協和音を恐れず、議論を通して自分の譲れない部分を語り、他者と融和する努力を積み重ねることが、必要ではないだろうか
中江桂子 著
A5判上製312頁
定価:本体3900円+税
発売日 17.3.31
ISBN 978-4-7885-1520-8
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