新刊 海野 弘『ロシアの世紀末』
海野 弘 著
A5判上製560頁
定価:本体6200円+税
発売日 17.5.31
ISBN 978-4-7885-1523-9
見本出来ました。
6月7日ごろ書店に並びます。
あとがき
また〈ロシアの世紀末〉にもどってきた。それは私の出発点であった。早稲田大学露文科に学び、卒業論文は「アンドレイ・ベールイの『ペテルブルク』」だった。
はじめは〈ロシア象徴主義論〉を目指したが、力及ばず、そのごく一部にしか触れられなかった。なぜ〈ロシア象徴主義論〉だったのか。私は「ソヴィエト研究会」に入った。そこでは〈社会主義リアリズム〉によって排除された〈ロシア・アヴァンギャルド〉の復権が求められ、マヤコフスキーの詩の再評価がはじまっていた。私は文学だけでなく美術に興味を持ち、〈ロシア構成主義〉をとりあげた。
しかしそのうちに、〈ロシア・アヴァンギャルド〉を準備したロシア世紀末の象徴主義から調べてみたいと思うようになった。さらにロシア象徴主義のために、その起源となるフランス象徴主義をやらないと、などととめどなくなって、卒論は間に合わなくなり、不充分なものとなった。
卒業してから、私はあらためて〈世紀末〉に・・・・・・
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