新刊 森正人『展示される大和魂』
森正人 著
四六判並製282頁
定価:本体2600円+税
発売日 17.3.31
ISBN 978-4-7885-1519-2
見本出来ました。
4月3日ごろ書店に並びます。
はじめに(一部抜粋)
国民精神という幽霊
一匹の幽霊が世界を徘徊している―ナショナリズムという幽霊が。
おおよそ世界中のあらゆる国民たちがこの幽霊の歓迎をそれぞれの国内で目撃している。ドナルド・トランプが熱狂的支持を獲得したアメリカで、EUからの脱退を決めたイギリスで、ISのテロに応じるフランスで、そして近隣諸国との政治的緊張関係と融和を演出する日本で。あるときには強まり、別のときには姿を隠す幽霊のごときものである。
一国の国民や民族を一つの文化的共同体と見なし、その統一発展や、他からの独立をめざす思想あるいは運動であるナショナリズムは、世界を標準化し平均化するグローバリゼーションにおいては縮小していくものと考えられてきた。しかし実際にはグローバリゼーションの進展にもかかわらず、いやだからこそ世界の各地でナショナリズムが勃興している。グローバリゼーションは世界の平衡化や標準化をもたらしていない。反対にグローバリゼーションはむしろ世界の標準化に抗するための国民アイデンティティの強化とその帰結としてのナショナリズムをもたらしている。
ナショナリズムは官製ばかりではない。むしろ日常生活における人びとの誇りや他国への嫌悪をとおして喚起され続けている。日本の技、日本人の海外での貢献ぶりを伝える近年のテレビ番組、「侍」「魂」「なでしこ」を冠したスポーツの日本代表チーム名、オリンピ
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