記事紹介 アズベリー &プローミン『遺伝子を生かす教育』
「能力発揮できる学校に」 福田病院・土屋医師 提言書を翻訳
キャスリン・アズベリー & ロバート・プローミン 著
土屋廣幸 訳『遺伝子を生かす教育』の紹介が熊本日日新聞・2017/1/5付にて掲載されました。記事は森本修代記者。弊社書籍をお取りあげくださいましたこと、こころよりお礼申し下げます。ありがとうございました。
福田病院(熊本市中央区)の土屋廣幸・小児検診部長が翻訳した、英国の行動遺伝学者による本『遺伝子を生かす教育』が出版された。「子どもはみんな同じではなく、一人一人違う。生まれつき持っている能力を発揮できる学校システムが必要だ」と提言する内容だ。
著者は、ヨーク大学のキャスリン・アズベリー講師と、ロンドン大キングスカレッジのロバート・プローミン教授。双子の研究をもとに、読み書きや運動の能力と、遺伝子の関係について調査した。
能力には遺伝性があるものの、「遺伝子がすべてを決定するわけではない」「偶然の経験と組み合わされて作用する」と指摘。子どもが何を楽しんでいるかを見て、「選択をサポートしてほしい」という。
また、「学校でうまく行かなくて、社会に出てからも低い地位のままだった親の子どもたち」にも言及。家庭の経済力が成績にも影響するとして、「恵まれない子どもたちに対する無料の質の高い就学前教育は、学習の機会を平等化するのに役立つ」と強調する。
「新人教師に遺伝学の研修を」など、具体的な教育政策のアイデアも紹介している。
キャスリン・アズベリー & ロバート・プローミン 著
土屋廣幸 訳
A5判並製192頁
定価:本2300円+税
発売日 16.11.10
ISBN 978-4-7885-1502-4
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