新刊 三浦倫平『「共生」の都市社会学』
三浦倫平 著
「共生」の都市社会学
―下北沢再開発問題のなかで考える
A5判上製464頁
定価:本体5200円+税
発売日 16.3.31
ISBN 978-4-7885-1470-6
見本出来ました。
3月30日ごろ書店に並びます。
未曾有の大震災が起きてから、早五年が経過しようとしている。東京大学被災地支援ネットワークの一員として被災地沿岸部に訪れた際に見た風景の数々が、 今でも脳裏に強く残っている。倒された家屋の数々。道端に転がる日用品。カーナビに記された施設やお店が全く見当たらないことに衝撃を受けたのを今でも覚 えている。
あの風景を思い出すたびに、あの地で生き残った人たちは今どのような生活をしているのかということを考えてしまう。今、被災地は「復興」に向かっているのだろうか。日本社会は「復興」をどのように考えているのだろうか。
災害という全く違う角度から話をしたのは、今被災地が直面している「復興」という課題が、本書の視点からすれば「共生」の課題であるということを言いたいからだ。
「復興」は、インフラなどが単に「復旧」することを意味しているのではなく、「多様な人々が共に生きていくことができるような社会の形成過程」、すなわ ち「共生」という意味で捉えていくべきだ。なぜならば、インフラをきれいに作り直しても、被災者の生活に対する支援が十分に行なわれず、多くの社会的弱者 がその土地に住み続けることができなくなってしまっては、望ましいあり方とは到底言えないからだ。これは理論的な想定ではない。阪神淡路大震災の後に起き た現実を・・・・・・
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