書評 内藤千珠子『愛国的無関心』 2016年1月17日付朝日新聞
内藤千珠子 著
の書評が、朝日新聞2016年1月17日付に掲載されました。評者は保阪正康氏。評者の先生、掲載紙ご担当者様には心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
「伏字的死角」に宿る歴史分析
本書には二つのキーワードがある。一つは「愛国的無関心」。「現在の愛国的空気が、近代日本の帝国主義に基づく無関心に起因」と定義づけられる。二つは「伏字的死角」。近代日本では○や×の伏字を編集者や作家が自主的に使う。著者はそれを「見えなくされた意味があることを表示する記号の場所」と呼ぶ。その論はなかなか難解だが、要は帝国主義的ナショナリズム批判の言語論、文学論という方向が次第にわかってくる。
著者によれば、今の時代、ヘイトスピーチを声高に叫んでいる人たちは、「在日」や特定の国を名ざしで批判しているが、実際はイメージだけ見ているだけで、その実態を理解していない。こうした咀嚼不十分、さらに私たちが用いている日常言語の日本語の中に「伏字的死角」があり、そこに歴史の流れがそのまま宿っていると説く・・・・・・保阪正康評 2016年1月17日 朝日新聞
内藤千珠子 著
四六判上製258頁
定価:本体2700円+税
発売日 15.10.30
ISBN 978-4-7885-1453-9
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