新刊 中村桂子『うつる』
中村桂子 編
A5判変形並製252頁
定価:本体2000円+税
発売日 15.12.15
ISBN 978-4-7885-1455-3
見本出来ました。12月9日ごろ書店に並びます。
「生命」と名詞で言い切ると、とても抽象的になり具体が見えて来ないことに気づき、動詞で考えるようになって一二年。生きものを特徴づけると同時に、私たちのその時の状況を表現する言葉を選んで毎年のテーマにしてきました。今年は「うつる」です。いつものように辞書を引くと、移・遷・映・写などの文字があります。そこにあるたくさんの意味を読みとり今の気持でまとめるなら、「本質は変わらないまま、次の次元・段階に入る」ということでしょうか。
昨年は二〇周年記念号として、それまでをまとめ、次の扉をひらいたので、次は「うつる」です。
ここには三つの思いがこめられています。一つは、生きもの研究のありようです。ゲノム研究が進み、生きることの全体が見えてくるかと思ったのですが、なかなかそうは行きません。すぐに役立つ答を出そうとするためにゲノム・データを統計的に扱って疾病のかかりやすさを見るというような大型プロジェクトが多いのです。脳細胞は、なぜ心臓細胞でなく脳細胞なのかというような本質的問いへと移れる時なのにと思います。
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