新刊 日本記号学会『音楽が終わる時』
日本記号学会 編
A5判並製224頁
定価:本体2800円+税
発売日 15.6.30
ISBN 978-4-7885-1438-6
見本出来ました。
7月6日ごろ書店に並びます。
刊行によせて 吉岡洋
たんなる数字の上では、二一世紀に入ってもう一五年が経過した。前世紀に想像された未来のなかでは、宇宙船ディスカヴァリーに搭載された人工知能 HAL9000が反乱を起こした年(二〇〇一年)も、天才科学者天馬博士が亡き息子の身代わりにロボット(後の鉄腕アトム)を造った年(二〇〇三年)も、 ドラえもんたちの愛用するタイム・マシンが発明された年(二〇〇八年)も、もはや過去の出来事となってしまった(ちなみに今年は『新世紀エヴァンゲリオ ン』で最初に「使徒」が出現する年である)。
けれども私たちは本当に、二一世紀に生きているのだろうか? 一〇〇年時間を巻き戻してみると、今は第一次世界大戦のまっただなかである。一九〇〇年代の 最初の一五年間―それは数字の上では二〇世紀でも、文明の基本的な形はまだ一九世紀を色濃くひきずっていた。同じように、私たちの文明はまだ二〇世紀に深 くとらわれているのではないだろうか? そして、もし一九世紀を本当に終わらせたのが最初の世界大戦だとすれば、もしかすると私たちはいま、ようやく二〇 世紀の本当の終末に直面しつつあるのではないだろうか?・・・・・・
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