新刊 牛山美穂『ステロイドと「患者の知」』
牛山 美穂 著
ステロイドと「患者の知」
――アトピー性皮膚炎のエスノグラフィー
四六判並製224頁
定価:本体2100円+税
発売日 15.5.1
ISBN 978-4-7885-1425-6
見本出来ました。
5月1日ごろ書店に並びます。
息もできないぐらい痛かったし、何のために生きてるのかっていう感じだし。痛い、もう全身しびれて。手は動かせないし。でも寝れないし、すごい痛くて。 ご飯自分で食べるのも最初はしんどいわけ。全部入れてもらうの、口の中に。本当に目も開かなかったし、テレビも見れないし、ただ本当に時間を1から100 まで数えてとかいうのを繰り返す感じだよね。12時間ぐらい、気が狂うぐらい掻いて、そのあと12時間激痛みたいの繰り返してたの。寝る時間がないよね。 本当大変だった。泣いても痛いじゃん。絶対に泣けないし。でもお母さんを見たら、私の姿見て泣くし。自分じゃ見えないけどすごい辛かったみたいだよね、パ ンパンでね。最初の24歳のときに、初めてリバウンドのすごい酷いのがきたときとか、お母さんが最初見たとき、家帰ってきて悲鳴上げて。自分が死んじゃっ たのかと思うぐらい。お母さんが、こんな姿になってとかいって泣きながら目のここら辺の傷をふくの。私、生きてんのかなとか思いながら。(麻美 28歳女 性)
この語りは、アトピー性皮膚炎患者の麻美さん(28歳女性)が、過去の激しい症状の悪化について語った際のものである。通常、アトピー性皮膚炎という と、ただの軽い皮膚の湿疹と捉えられがちだが、実際のところ、アトピー性皮膚炎は、この語りにみられるほど壮絶な様相を呈することもある病気である。しかし、
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