書評 中國新聞、河北新報ほか 新形信和『日本人はなぜ考えようとしないのか』
新形信和 著
四六判212頁並製
定価:本体1800円+税
発売日 14.12.12
ISBN 978-4-7885-1415-7
の紹介が、2015年3月15日付中國新聞、河北新報ほかに掲載されました。評者は甲田純生氏。評者の先生、掲載紙ご担当者様にはこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。
・・・・・・「発想がなかった」という言い方は、奇妙な表現である。そもそも「誰に」発想がなかったのかわからない。まるで、文科省に発想がないのは、スーパーにバターがないのと同じだと言わんばかりで、そこには「何かを主張する主体が存在しない」のである。
著者は、このような言語表現に代表される日本人の文化的特性に、原発事故の原因の一端があると考えている。確かに「主張する主体」がないのなら、議論も成立しないし、何か起こったときに責任を取る者もいないだろう。主張なし、議論なし、責任なし。日本人がこの「三ない」状態を今後も続けるのであれば、大惨事はきっとまた繰り返される。「なぜ考えようとしないのか」というタイトルは、著者の憂いの表れだ。・・・・・・・
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