新刊 ジム・ケメニー『ハウジングと福祉国家』
ジム・ケメニー 著/祐成保志 訳
四六判336頁上製
定価:本体3400円+税
発売日 14.12.8
ISBN 978-4-7885-1411-9
見本出来ました。12月11日配本です。
12月15日ごろ書店に並びます。
ハウジング研究は伝統的に、住宅難がどのていど深刻で、どのくらいの規模で生じているかを把握することに関心をよせてきた。たとえば、過密、不衛生、そ して世帯に対する住宅の不足などである。戦後はとくに住宅不足に注目が集まり、過密と衛生の問題は後景にしりぞいた。世帯人数と住宅数の推定は、住宅不足 に対応するための世帯形成の先送りから生じる「潜在的」世帯数の推定とともに、不足数の総量と、その解決に必要な新規建設戸数を決定する際に不可欠の評価 基準をなしている。それらは、ながらくハウジング研究の出発点となってきた(Cullingworth, 1960: ch. 1; Donnison, 1967: 33-5)。このようなハウジングへの実践的で政策志向のアプローチは、事実上、ハウジングを住宅単体、あるいはときに「シェルター」と呼ばれる建造物と して定義している(Abrams, 1964)。
しかし、「住宅階級(housing classes)」という、ハウジングについてのはじめての理論的な概念が導入されたレックスとムーア『人種・コミュニティ・紛争(Race, Community, and Conflict)』(Rex and Moore, 1967)の刊行を契機に、概念や理論に対する関心が研究に浸透しはじめた。それにともない、ハウジング研究は徐々に、しかし確実に変容を遂げてきた。こ のような動向は、一九七〇年代におけるマルクス主義理論、とりわけアルチュセール派の構造主義から、そして引きつづき一九八〇年代に起こったウェーバー主 義者たちによる反応から、すくなからぬ刺激をうけている。四半世紀近くにわたる緩やかながら確固とした発展を経て、一九九〇年代に入ると、変化のペースは 着実に加速しつつある。
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