書評 香川めい・児玉英靖・相澤真一『〈高卒当然社会〉の戦後史』@日本経済新聞 2014/9/21
香川めい・児玉英靖・相澤真一 著
〈高卒当然社会〉の戦後史
の書評が、9月21日付、日本経済新聞に掲載されました。ご書評いただきました掲載紙ご担当者様にはこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。
<・・・・・・本書は、高校が準義務教育化されるに至る戦後の歩みを検証。進学率の全国平均などマクロ統計だけでは見えない地域の教育事情を明らかにし、「高卒当然社会」の揺らぎや、持続可能性を考察する。
・・・・・・本書の功績は、公立と私立の関係により地域の教育構造を類型化し、緻密な分析を加えた独自の視点にある。・・・・・・大都市の神奈川県では、公立中学から全日制高校への進学率が2006年から連続して90%を割り込んでいる。経済的事情から私立の全日制に進学できず、不本意ながら定時制に通う生徒が増えているというのだ。東京都も同様の傾向だ。
難関大学への進学実績を向上させるなど「公立の復権」に伴い成績下位者が定時制に追いやられ、多くの中途退学者を生んでいる。マクロ統計では見えない内実に迫る方法の確かさが光る。研究書だが、甲子園の出場校の特徴などもコラムで取り上げ、幅広い層に読ませる配慮もなされている
香川めい・児玉英靖・相澤真一 著
〈高卒当然社会〉の戦後史
四六判上製240頁
定価:本体2300円+税
発売日 14.7.22
ISBN 978-4-7885-1395-2
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