新刊 大澤真幸・塩原良和・橋本 努・和田伸一郎『ナショナリズムとグローバリズム』
大澤真幸・塩原良和・橋本 努・和田伸一郎 著
四六判並製336頁
定価:本体2500円+税
発売日 14.8.8
ISBN 978-4-7885-1400-3
見本出来ました。7月30日配本です。
8月1日ごろ書店に並びます。
はじめに
二十世紀の末期以降、われわれは、たいへん奇妙な世界を生きている。ナショナリズムとグローバリズムとが、すなわちネーション(国民・民族)のアイデンティティへの愛着と経済・政治・文化の総体的なグローバル化が、ともに深まり、伸展しているのだ。
ナショナリズムとグローバル化は、ほんらいは背反するはずだと考えられていた。つまり、経済と政治と文化のすべての領域で国境を横断するグローバルなコ ミュニケーションがさかんになり、国民-国家の主権も相対化されてくれば、必然的にナショナリズムは衰えるはずだ、と予測されていたのだ。ところが、グ ローバル化の水準がかつてないほど高まっているのに、ナショナリズムに基づく感情や行動はさして衰えることなく持続し、それどころか、地域によってはかつ て以上にナショナリズムは強化されているようにすら見える。これはどうしたことだろうか。
ベネディクト・アンダーソンは、一九八〇年代の前半に出した著作のなかで、第二次世界大戦後にアジア・アフリカの植民地が次々と独立する過程をさして 「ナショナリズムの最後の嵐」と呼んでいた。この語を引き継ぐならば、二十世紀末期以降、とりわけ冷戦の終結以降にわれわれが目のあたりにしているのは、 「ナショナリズムの季節外れの嵐」であり、乾期に降る大雨である。
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