新刊 川野健治・八ッ塚一郎・本山方子『物語りと共約幻想』
川野健治・八ッ塚一郎・本山方子 編
四六判並製192頁
定価:本体1700円+税
発売日 14.7.15
ISBN 978-4-7885-1385-3
見本出来ました。7月10日配本です。
7月14日ごろ書店に並びます。
はじめに
「人は理解しあえるはずだ、理解をめざすべきだ」という願望、あるいは倫理的命題が、質的心理学を駆動する。その一方、質的心理学を支える理論や、具体的な調査の経験は、「理解には根本的な困難がつきまとう」という共約不可能性の問題を痛感させる。
質的心理学は、こうした矛盾や対立を、むしろ必須のダイナミズムとしている。これをさらに、質的研究の共有する「方法」的な規準へと高めることはできないだろうか。
物語りに耳を傾けることは、語りに巻き込まれ、当初の研究目的や方針を根底から揺るがされることでもある。研究者としての物語りを揺るがされ、異なる地 平に連れ出される経験。そのうえで、記述の仕方や解釈の方法を次々と考えなおし、二度三度と語りの場に立ち戻る経験。重なり合う謎と困難と揺らぎを抱え、 絶え間なく模索を続けるプロセスこそが、質的心理学の「正しい」方法のはずだ。
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