新刊 徃住彰文・村井源『量から質に迫る』
徃住(とこすみ)彰文 監修・村井源 編
A5判上製240頁
定価:本体2600円+税
発売日 14.7.28
ISBN 978-4-7885-1396-9
見本出来ました。7月28日配本です。
7月31日ごろ書店に並びます。
あとがき
本書のタイトルである「量から質に迫る」というフレーズは,新曜社にて本書のコンセプトをお話ししていたときに出てきたものです。近年心理学などの領域 では,量的研究と質的研究の比較や,質的研究の意義を客観的に見直す機運が高まっているように思います。ただ,質的研究の必要性への無理解から生じる一方 的な人文学批判や,質的研究側からの半ば居直りのような科学主義批判は私の回りにもいまだに数多くあります。私自身は,科学的方法論を踏襲しながら人文学 領域に踏み込むという第三の道を模索していますが,人文学者からは数字で人の微細な心がわかるわけがないと言われ,科学者からはそんなものは分析する意味 がないと言われ,話も聞かずに否定されることが少なくありません。学問の世界における量的研究と質的研究の対立の溝は非常に深く,その結果として発展が妨 げられている領域もあちこちに見られます。本書のタイトルにはそのような不毛な争いが解消される一助になれば,という願いも込めています。
序章でも触れましたが,人間の微細で複雑な感性をどのように量的に科学的に扱っていけばよいかという方法論は,いまだに確立されたといえる状態ではあり ません。そのため本書では,体系的に対象と方法を整理するという形ではなく,いくつかの領域における試みを各執筆者がケーススタディ的に紹介するというス タイルをとらせていただきました。ただ,体系的とは言えないまでも有用な方向性やボトムアップ的に得られた研究のコツのようなものはありますので,各部の 初めに私が概説を書いて全体像を紹介する形式にいたしました。
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