書評 馬場公彦著 『現代日本人の中国像』
A5判上製402頁
定価:本体4200円+税
発売日 14.5.9
ISBN 978-4-7885-1386-0
の書評が、6月8日 2014年、毎日新聞に掲載されました。
評者は張 競氏。
......前著(『戦後日本人の中国像』)でもその濃密な情報量に圧倒されたが、本書で検討された資料もそれにほぼ匹敵する。天安門事件やソ連の解体もあって、中国崩壊論だけでも汗牛充棟の量に上る。玉石混淆の一次資料のすべてに目を通し、整理・分類するだけでも気が遠くなるような作業であろう。一見、手の付けようもない情報を、見事な腕さばきで仕分けし、資料の吟味を通して全体像を明らかにした。......
意外な発見はいくつもある。80年代は日中関係の蜜月時代と言われたが、仔細に点検すると、表層的な友好ムードとは裏腹に言論界では中国批判や、悲観的な展望はむしろ大多数を占めていた。現在の嫌中論の主要な観点は当時の論壇にすでにあって、違うのは30年前の少数派の意見が、いまや世論の大勢を占めるようになったという点である。また、天安門事件のあと、中国経済の現状を紹介し、正確に将来を予見したのはチャイナ・ウオッチャーではなく、現地で調査を行ったアナリストであった。
改めて気付かされたことはもうひとつある。総合誌は主に評論家が活躍する場で、学者が登場する場合でも、評論家と同じように表層的な現象に目を奪われることが多い。逆に地道な学問研究の成果は必ずしも誌面に反映されていない。その結果、中国イメージはは好転/悪化の反復が繰り返されている。......
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評者の先生、掲載紙ご担当者様にはこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。
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