書評 日比嘉高 著『ジャパニーズ・アメリカ』

日比嘉高 著
ジャパニーズ・アメリカ
A5判上製392頁・定価:本体4200円+税
発売日 14.2.20
ISBN 978-4-7885-1369-3
の書評が北海道新聞、2014年5月25日付に掲載されました。
評者は成田龍一氏。
・・・・・アジア・太平洋戦争のさなかには、日系人は強制収容所で暮らすことになったが、その時期を通じての移民たちによる活動-日本語による文学作品が取り上げられる。アメリカで発行された日本語新聞に投稿された短歌をはじめ、一世の作家・翁久允、アメリカ生まれの二世作家・中島直人らの作品が読み返され、その想像力に言及し、彼らが「移民」と「日本人」という矛盾した二重性を生きていくさまを読み取っていく。
とともに、これまで日本文学として扱われていた作品も、この視点から再解釈される。たとえば、若き日の永井荷風の「あめりか物語」。荷風は日本に居住し日本作家と目されるが、この作品は在米中に書き継がれていることから「在米日本人の作品」として読み返される。そして、この作品は「日本文学」といいうるかと問いかけるのである。こうして、移民文学の考察によって、日本やアメリカの境界が揺るがせられる。されに、人とモノと情報のネットワークに目を向け、メディアとしての日本語新聞、流通の要となる書店を論じており、本書は狭義の文学研究の枠を超えている。思考をゆさぶる、読みごたえのある一書である。
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにはこころよりお礼申し上げます、。ありがとうございました
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