書評 中山元著『ハンナ・アレント〈世界への愛〉』
中山 元 著
A5判上製520頁・定価5985円
発売日 13.10.25
ISBN 978-4-7885-1341-9
の書評が、4月12日号 2014年 図書新聞に掲載されました。
評者は矢野久美子氏。
「……アレント、あるいは著者によれば、〈世界への愛〉の実践は抽象的なものではなく、日常の生活から始まるものである。「現われの空間は、人々が言論と活動の様式をもって共生しているところでは必ず生まれる」、「国はわれわれの運命を決定するには大きすぎるから、そのなかにいくつかの公的な空間が必要なのだ」という、だからアレントは、「主権の原理」とは無縁なタウンミーティングや、「垂直的ではなく水平的に」構成される権力の意義を強調していた。著者は、「自律的な空間を形成すること」は「既存の国家と社会の内部でも可能なことである」と述べ、「世界への愛は、このような方式によってこそ、初めて現実の力を発揮することができる」と書いている。簡単に読める本ではないが、アレント研究の必読書である」
評者の先生、掲載紙ご担当者さまに心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。
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