書評 私市保彦・今井美恵 著「赤ずきん」のフォークロア
私市保彦・今井美恵 著
四六判上製256頁・定価:本体3200円+税
発売日 13.12.20
ISBN 978-4-7885-1362-4
の書評が2014年4月26日号図書新聞、にて掲載されました。
評者は金山愛子氏。
「私市保彦・今井恵美著『「赤ずきん」のフォークロア』(新曜社)は。ペローやグリムの童話で広く親しまれている「赤ずきん」が内包する「謎」を解き明かし、「赤ずきん」をイニシエーション(通過儀礼)の物語として読む試みである。
全体として丁寧に先行研究を吟味しており、とくに「アンファン・ネ・コワッフェ」(胞衣に包まれて生まれてきた子ども)のコンテクストに「赤ずきん」を置いて読む第二部の「赤ずきんと胞衣」は、言語学的、民俗学的な裏付けをふんだんに提示した示唆に富む議論となっていて面白い。「胞衣に包また子ども」のまとまった研究であるニコル・ベルモンの『誕生のシーニュ』の紹介もありがたい。また巻末の「赤ずきん」民話のヴァリアントの数々も有益だ。ただいくつか疑問が残る……」
ご書評くださいました先生、掲載紙ご担当者さまにはこころよりお礼申し上げます、。ありがとうございました
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