書評・紹介 下條信輔著『まなざしの誕生』
下條信輔 著
『まなざしの誕生』 (新装版)
――赤ちゃん学革命
四六判376頁 定価:本体2200円+税
発売日 06.6.6
ISBN 4-7885-1000-6
の紹介が、讀賣新聞2014年3月9日付、「ビタミンBook」に掲載されました。
評者は池谷裕二先生。すごい読みたくなるこの書評のおかげで、反響が多く(Amazonベストセラーランキング84位 3月10日12:30現在)、在庫あっという間になくなりました。ただいま重版中、24日取次店さん搬入にてすすめております。ご容赦くださいませ。
・・・・・・まなざしとは不思議なものです。目からビーム光が出ているわけではないのに、この非物理的な存在感は圧倒的です。『まなざしの誕生』(下條信輔著、新曜社)を再読しました。著者の本はすべて読んでいますが、同書はとくに好きです。・・・・・・読書の醍醐味は、漠然とイメージしつつもうまく言葉にできないことが、本の中で的確な表現で言語化されていく様子に触れる瞬間にあります。今回もそんな快感を味わいながら、改めて「まなざし」に秘められたパワーを実感しました。本書は発達心理学に軸足をおいています。つまり、乳幼児がどう成長してゆくかが、表面上の主題です。しかし、扱う対象は奥深く、知能や心など、人間原理を根源から抉ってゆきます。つまり本書は赤ちゃん学を装った人間学全般なのです。ヒトの心の実態を知るためには、こころの発生現場をおさえなくてはならない――これが著者の狙いです。では、こころはどのように芽生えるのでしょうか。最終章に用意された予想外な答えに向かって読者を引っ張り込む。この強い駆動力に抗うことはできません。
評者の先生、掲載紙ご担当者様にはこころよりお礼申し上げます。ありがとうございました。
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