新刊 外山紀子・野村明洋『食をつなげる、食でつながる』
外山紀子・野村明洋 著
四六判並製216頁+カラー口絵8頁
定価:本体2300円+税
発売日 14.3.20
ISBN 978-4-7885-1380-8
見本出来ました。3月24日配本です。
3月27日ごろ書店に並びます。
平成17年に食育基本法が制定されて以来、食ブームとなっています。多くの自治体で食の勉強会や講演会が企画され、学校、幼稚園、保育園、企業などでは、こぞって栽培体験活動や料理体験活動といったイベントが開催されています。「食育」関連の資格も数多くつくられました。
食育基本法の制定と同じ平成17年、栄養教諭制度も開始されました。食育を推進するためには指導体制の整備が不可欠だからということのようです。さらにそ の翌年(平成18年)には、「早寝早起き朝ごはん」という「国民運動」も始まりました。子どもの生活リズムの乱れを防止することが、その目的に掲げられて います。政府は食育基本法の理念を実行に移すための「推進計画」を定めていますが、第二次食育推進計画には「家族が食卓を囲んで共に食事をとりながらコ ミュニケーションを図る共食は、食育の原点」だから、「家族との共食」を可能な限り推進しようと書かれています。このように、政府主導で次から次へと「食 を健全にする」ための取り組みが進められているわけです。
これらの文書に書かれていること、謳われていることは、どれも至極まっとうなことに映ります。栄養に関する正しい知識を得ること、生活リズムを整えるこ と、家族みんなで食卓を囲むこと、その重要性に異議を唱える人はいないでしょう。しかし、だからこそ奇異に感じられるということはないでしょうか。これら のことを、わざわざ法律をつくってまで宣言しなければならない状況は、社会のいびつさをあらわしています。
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