新刊 難波功士編『米軍基地文化』
難波功士 編
四六判並製296頁
定価:本体3300円+税
発売日 14.3.25
ISBN 978-4-7885-1372-3
見本出来ました。4月2日配本です。
4月5日ごろ書店に並びます。
本書が企画されたのは、普天間基地移設問題の対処に失敗した時の首相が、退任する騒ぎとなっていた頃であった。その後、東日本大震災や政権交代を経た今日 でも、オスプレイ配備や辺野古地区への移設の是非など、依然として米軍基地は争点であり続けている。基地が国内にあること(あったこと)、さらにはそれが 沖縄に偏在していることを問い返す作業は、その意義をさらに増しているのである。
本書は「叢書戦争が生みだす社会」の第Ⅲ巻として、敗戦・占領・駐留によって戦後社会がいかに規定されてきたか、とりわけその文化的な側面をテーマとして いる。この国に今なお存在する「米軍(基地)と有縁なものたち」をとらえ直し、アジア・太平洋戦争を、東西冷戦を、さらには9・11を「抱き抱えている」 現在を再考する試みである。
政治・外交・軍事などの焦点にある米軍基地を、「文化」の語のもとに論じることは、多くの人の目にはペダンティックに過ぎると映るかもしれない。暴力装置 としての基地の本質を看過しているとの批判もあろう。だが、基地の及ぼした大衆文化(ポピュラーカルチャー、マスカルチャー)やライフスタイルへの影響を 抜きにしたまま、基地の現実やアメリカナイゼーションの様相を語ることできない。この数年の間にも米軍基地に関しては、メディア研究からのアメリカの対日 文化政策史(土屋・吉見 2012)、米軍兵士と日本人女性との結婚をめぐるエスノグラフィー(宮西 2012)、ポピュラー音楽研究における分厚い記述(青木 2013)などが刊行された(1)。本書はそれらの研究成果と同様に、アクチュアルな問題意識のもと、米軍基地文化の変遷や諸相を描き出そうとするもので ある。
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