書評 『オオカミ少女はいなかった』 讀賣新聞2014年2月16日付 三浦しをん氏紹介
鈴木光太郎著『オオカミ少女はいなかった』
の書籍紹介が、2014年2月16日付讀賣新聞読書欄「ビタミンBOOK」に掲載されました。評者は作家の三浦しをん氏。
・・・・・・だが、心理学に対する警戒心や誤解を、丁寧に解きほぐしてくれる本があった。『オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険』 (鈴木光太郎・新曜社)だ。
たとえば、「オオカミに育てられた少女の知的能力は、ほとんど発達することがなかった」という、もっともらしい「実話」がある。「幼児期や児童期の環境や教育がいかに大切かを如実に示す例として」語られることが多い。
ところが、この話は実際は、オオカミ少女を「発見」し報告した人の捏造なのだそうだ。少なくとも、大幅な脚色がほどこされた話であると、その後の調査や研究で明らかになっている。
・・・・・・ひとの心の謎に迫るため、慎重かつ真摯に実験や調査や研究を積み重なる。心理学の本当の姿、学問としての重要性が、素人の私にもわかりやすく書かれていた。食わず嫌いはやめだ! 眉唾説を見抜けるよう、今後は積極的に心理学の本にかぶりついていこうと決めたのだった。
評者の先生、掲載紙ご担当者の方に厚くお礼申し上げます。
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